My「サマー・オブ・ラブ」番外編_セカンド・サマー・オブ・ラブ

ビデオの編集作業中、参考ムービーとして Youtube で探したあるビデオがあります。


Aluminum Machining for Aerospace on the a61nx 5E

アルミマシニング加工の動画なのですが、この BGM がなかなかカッコよくて、愛用の素材サイト pxita で探してみることに。

ところが、そのサウンド部門には見慣れないジャンルがいっぱいでどこを探していいのかサッパリ分かりません。

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イージーリスニング/ヒーリングは得意分野なので問題はないのですが、その他に

・エレクトロニカ
・アンビエント
・ラウンジ
・クラブ・電子系
・テクノ
・ハウス
・EDM
・トランス
・ヒップホップ
・チップチューン
・ダブステップ

と、名前からは曲調がよくわからないジャンル名が並んでいます。

そういえば、

この春先に My「サマー・オブ・ラブ」シリーズを書いているときに、その最終話に1979年のイージーリスニング・ブームの終焉と80年代のニューエイジ・ミュージックの流行について書く予定でしたが、途中で、

「ラウンジ」は1960年代~70年代頃のムードミュージックを指す事が多かったが、電子楽器の普及と共にエレクトロニカという分野も生まれ、2000年代、ポップとロックを再結合することで、ラウンジ・ミュージックは新たな進化を迎える。それに伴い「ラウンジ」はクラブ系の音源を主体とした音楽を指すようになってきた。

ということがわかり、クラブ系について調べてみるとあまりの複雑さに混乱してしまい、アップロード未了となっていました。(今回一緒に追加しました。)

MY「サマー・オブ・ラブ」_再びラウンジへ_SUDAREの部屋

そのとき、これらのジャンル名も見かけたような記憶があります。

ということで、

もう一度、80年代から現在までのエレクトリック・ミュージック(ダンス)系の系譜を自分なりに整理してみることに。

その前に、自分のエレクトリック・ミュージックの体験を思い出してみます。


エレクトロニック・ミュージック_自分史

<1960年代>

⎮『2001年宇宙の旅』1968年

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『2001年宇宙の旅』では、ハンガリーの現代音楽の作曲家ジェルジ・リゲティの

『アトモスフェール』
『ソプラノ、メゾ・ソプラノ、2つの混声合唱と管弦楽のためのレクイエム』
『ルクス・エテルナ(永遠の光を)』
『レクイエム』
『アヴァンテュール』

が使用されていました。

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世の中にこんな音楽があるのかと衝撃を受け、インナー/アウタースペースを感じさせる楽曲を探し始めます。

 

⎮ホルスト

1968年 ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮の『惑星』(1961年)

ここまでは、クラシックの領域でしたが、やはりもっと電子楽器を使用したこれまで聞いたことない音空間を求めていました。その出会いは 2年後から始まります。

 


<1970年代>

⎮リターン・トゥ・フォーエヴァー

Return To Forever.jpg

1972年 『リターン・トゥ・フォーエヴァー(Return to Forever)』

 

⎮ピンク・フロイド

「イビザ・バー」

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– 1969年『モア』。この頃すでに後の「セカンド・サマー・オブ・ラブ」のきっかけとなるイビザのバーは有名だったようで、以来何故かこの名前はずっと記憶に残っていました。


Pink Floyd – Ibiza Bar(1969年)

1970年『原子心母(Atom Heart Mother)』でピンク・フロイドの世界へ一直線。
1971年『おせっかい(Meddle)』
1972年『ピンク・フロイド ライブ・アット・ポンペイ(Pink Floyd Live at Pompei)』

 

⎮タンジェリン・ドリーム

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1973年、4thアルバム『アテム』で初めてタンジェリン・ドリームと出合い、1971年『アルファ・ケンタウリ』、1972年『ツァイト』と遡ります。同時にジャーマン・ロック(クラウトロック)の世界へと。


Tangerine Dream – TANGAUDIMAX

– タンジェリン・ドリームと中心メンバーだったエドガー・フローゼの音楽世界を再現するタンジェリン・ドリーム・サウンド・ミュージアム『TANGAUDIMAX』を築く計画があります。これは同時に45年間ずっと聴き続けてきた自分史とも重なります。

 

⎮クラフトワーク

「エレクトロニック・ダンス・ミュージックのビートルズ」

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1974年、4thアルバム『アウトバーン』で出合います。
1977年『ヨーロッパ特急(Trans-Europe Express)』

ニューヨーク・タイムズは「エレクトロニック・ダンス・ミュージックのビートルズ(Call Them the Beatles Of Electronic Dance Music)」と評しています。

2018年に最優秀ダンス/エレクトロニックアルバム賞

 

⎮冨田 勲

1974年『月の光-ドビッシーによるメルヘンの世界』1975年『展覧会の絵』『火の鳥』

 

⎮ジャン・ミッシェル・ジャール

1976年『幻想惑星(Oxygène)』1978年『軌跡(Équinoxe)』

<1980年代前半>


80年代初頭、日本でのニューエイジとテクノポップが同時に幕開け。


 

⎮喜多郎

1978年『天界』1979年『大地』をリリース。

– 発売直後の『天界』を聴いたとき、今自分が求めているのはこの世界だと直感しました。

1980年4月7日『NHK特集 シルクロード 絲綢之路 』が放送開始。音楽を喜多郎が担当。
1982年、初の全国ツアーを行なう。

– 名古屋では異例の夜の名古屋城でのコンサート。城を背景に喜多郎の曲が響き渡る幻想的な一夜でした。

 

⎮ホルガー・シューカイ(Holger Czukay)

1979年『Movies』をリリース。

– カンのメンバーだったホルガー・シューカイの曲がサントリー角瓶のCMソングに採用され注目されます。ここから「ワールド」というジャンルへの興味を持ち始めます。


サントリーウイスキー 角瓶 CM – Holger Czukay “Persian Love”

 

⎮イエロー・マジック・オーケストラ

1979年『テクノポリス』1980年『ライディーン』をリリース。


NHKニュースワイド テーマ曲

– 1980年4月7日に始まったNHKニュースワイド(森本毅郎/頼近美津子)でイエロー・マジック・オーケストラの坂本龍一が作曲したテクノポップ風テーマ曲が流れてびっくり仰天。「あのお堅い NHK がニュース番組のテーマ曲にテクノポップを使用するなんて」と、あの日の驚きと興奮は、今でもはっきり覚えています。

 

⎮クラフトワーク

1981年『Computer World』

– 収録されている曲のうちで「Computer Love」は自分にとって名曲のひとつ。


Erik Wøllo – Computerlove(2004年)

そして、1980後半・90・00年代はダンス(DISCO)系の音楽から離れて「ニューエイジ・ミュージック」「ワールド」へと移っていきます。現在は「チルアウト」で再びダンス系と合流。

これが、ハウスとかテクノといったアップテンポのジャンルはあまり知らなかった理由。

ちょうど今回気になったついでに、

遅まきながら1980年代後半以降のダンス・ミュージックシーンの移り変わりを調べてみることにしたのですが、

 

生物学的に、コードやリズム、メロディの微妙な違いを聞き分ける能力が年齢とともに低下するからだと考えられます。音楽の好みというのは10代前半に固まりはじめ、20歳ごろにがっちりと固まるので、この期間に耳にするヒット曲は、同じ世代の中では一生人気が続く可能性が高いです。一方、33歳になるころには新たな音楽を聴くことはほぼなくなります。このため、それ以降に新たに耳にした、自分があまり知らない音楽はすべて同じように聞こえてしまっていることが考えられます。

なぜ年を取ると新しい音楽を受け入れられなくなるのか?

 

さて、理解できるでしょうか。

 


DI.FM – Electronic Music Radio

「DI.FM」というエレクトロニック・ミュージックに特化したラジオサイトがあります。

今回はこのサイトにあるテクノオルグのガイドを参考に、いきなり最新の曲に行く前に DI.FM の「CLASSIC」チャンネルで、ジャンルと当時の曲調を確かめながら調べていきました。

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DI.FM の CLASSIC カテゴリ

DI.FM – Electronic Music Radio
DI.FM – Electronic Music Guide




その結果、大きな流れとして、

・1986~1994年頃
ハウス・ミュージック(House music)
・1990~2004年頃
テクノ(Techno)
・1994~2004年頃
ドラムンベース(Drum and bass)
・2004~2012年頃
ダブステップ(Dubstep)

があったことが分かりました。


さらに、年代別にもう少し詳しく見ていきます。(私的なメモですので、多少不正確なところがあるかもしれません。ご了承ください。)

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エレクトロニック・ミュージックのジャンル一覧_Wikipedia


エレクトロニック・ミュージックの系譜

<1980年代>

1980年代 ヒップホップ

1970年代、ブロックパーティから生まれた文化で、音楽のジャンルではないそうです。DJが流す音楽に合わせて、自分自身を主張する言葉や歌詞を乗せます。「4つ打ち」ではなく、ゆったりとしたテンポのビートが特徴。

このラップについていくことができず、ヒップポップから離れる原因となりました。

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Electronic Music Guide

1980年代 ハウス・ミュージック

ハウス・ミュージック(House music)は、1977年にアメリカ合衆国シカゴで誕生した音楽ジャンルの一つ。単にハウスと呼ばれることも多く、70年代のディスコやフィリー・ソウル、サルソウル・サウンドなどを起源としています。

1985年~1988年 ユーロビート、ハイエナジー、イタロ・ディスコ

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Electronic Music Guide

1980年代 ニューエイジ・ミュージック(New Age)

1980年代に流行したポピュラー音楽のジャンル。クラシックやポップス、ジャズなど多様な要素をミックスしたような特徴を持ち、環境音楽、エレクトロニカ、ミニマル・ミュージック、ワールドミュージック、イージー・リスニングなどの音楽と多くの共通点を持っています。

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Electronic Music Guide

このダウンテンポの系譜が自分の辿った流れに最も近いようです。

1980年代後半 テクノ(techno)

「テクノ」はレイブでヒットしていたデトロイトの新しい音楽を英国のメディアが命名した音楽ジャンル。

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Electronic Music Guide

1980年代後半 「バレアリック・サウンド」

「バレアリック」とはヨーロッパのリゾート地・イビザ島からはじまった選曲の方向性を指す言葉。BPM110前後で、開放感や酩酊感、あるいは黄昏時のメランコリックなムードを感じさせる音楽が総じてバレアリックと呼ばれます。

86年頃からアシッドハウス、デトロイト・テクノがイギリスに上陸し、徐々に流行のきざしをみせます。

「レイブ」

87年末にイビサ島のハウスを再現したクラブがロンドンにオープン。そこで流されたサウンドはバレアリック・サウンドと呼ばれ驚異的な勢いで広まり、クラブ・シーンは熱狂的な盛り上がりをみせます。会場も次第にウェアハウス(倉庫)や郊外の廃屋や農場などを利用したフリー・パーティーが開かれるようになります。

group of people gathering in concert
Photo by Wendy Wei on Pexels.com

「セカンド・サマー・オブ・ラブ」

1988年になるとウェアハウス・パーティーはイギリスで一大ムーブメントに発展、大規模なウェアハウス(倉庫)・パーティーが「レイブ」と呼ばれるようになり、ハウス・ミュージックの爆発的な流行が起きました。そのピークの時期を、1967年サンフランシスコでのヒッピー・カルチャーの絶頂、サマー・オブ・ラブの再来として「セカンド・サマー・オブ・ラブ」と呼ばれています。


1980年代末 アンビエント・ハウス

ハウスとレイブの爆発的なブームの中で生まれた興奮を沈め、肉体と精神を癒してリラックスさせるために聞く音楽の需要が生まれました。

ブライアン・イーノやスティーヴ・ライヒなどの環境音楽や実験音楽、そしてピンク・フロイドのようなプログレッシブ・ロックとハウスを融合させたまったく新しい音楽が作られました。

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Electronic Music Guide


<1990年代>

1990年代 日本はユーロビート/ハイエナジーのガラパゴス

国外でユーロビートの人気が無くなった1990年代以降も日本での人気は続き、世界から見向きもされなくなったユーロビート/ハイエナジーをイタリアのユーロビート・レーベルに日本市場向けだけに特別に制作してもらっていたそうです。

1990年代中期 トランス・ミュージック

1980年代末、クラブミュージックの中心はシカゴからロンドン、そしてイビザへと移り始まったアシッド・ハウスから派生したトランスには、主に西ヨーロッパ圏を中心に流行しているユーロトランスと、世界規模で流行しているサイケデリックトランスがあります。

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Electronic Music Guide

1990年代後半 チルアウト

チルアウトは、電子音楽の作曲者により生み出された、比較的陽気でスローテンポなさまざまな形式の音楽を表す包括的な言葉。1990年の KLF のアンビエント・アルバム『Chill Out』で一般的になったとされています。

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Electronic Music Guide

「カフェ・デル・マール」

イビザ島のバー「カフェ・デル・マール」で流されているリラックスできるダンス系ミュージックは、チルアウトミュージックと呼ばれるジャンルとして、1994年頃からコンピレーションCDがさまざまなレーベルからリリースされ、欧州で流行し始めます。

「ダウンテンポ」

チルアウトに似たジャンルのダウンテンポはよりビートを強調しています。

1990年代後半 「エレクトロクラッシュ」

1980年代の音楽であるニュー・ウェイヴ、ポストパンク、エレクトロ、ディスコ等を、1990年代後半のダンスミュージックの概念で解釈・再構築を行ったもの。

1990年代後半 チップチューン

ファミリーコンピュータなどFM音源以前のゲーム機・PCの音源(PSG・波形メモリ音源など)をメインに用いた電子音楽の1つ。

ジャンル分けが音色もしくは制作プロセスという面からの分類で、同じチップチューンと捉えられている楽曲の間でも、その曲想は非常に多岐にわたっている。


<2000年代>

2000年代の新しいジャンルは ダブステップ

2000年代前半 日本

・『Perfume』デビュー 2003年
Perfume の楽曲は、ハウスミュージックの流れを汲んだテクノポップ。

[Official Music Video] Perfume「リニアモーターガール」(2005年)

・『交響詩篇エウレカセブン』2005年
初めてアニメと90年代テクノが融合。

・『モア』『ラ・ヴァレ』2007年
ピンク・フロイドの幻の映画『雲の影』(1972年)が35年の時を経て日本初公開。

2000年代後半 EDM(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)

明確なジャンルを指すものではなく、様々なサブジャンルを包括。4つ打ちの音とポジティブで盛り上がりどころが分かりやすい。

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DI.FM – Electronic Music Radio

<2010年代>

2010年前後、ヒップホップとエレクトロニカを融合させた ビートミュージック や オルタナティヴR&B が登場。

2010年代に入ってそれ以前にあったイギリスやヨーロッパのクラブミュージックとは違う EDM がアメリカのマイアミから世界中に広がっていきました。そして現在、世界中のポップ・ミュージックに EDM が浸透しています。

2010年代 「ULTRA MUSIC FESTIVAL」

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ULTRA MUSIC FESTIVAL のジャンルは、

Big Room(ビッグルーム)Progressive House(プログレッシブハウス)Dance Pop(ダンスポップ)Bounce(バウンス)Future House(フューチャーハウス)TRAP / DUBSTEP(トラップ/ダブステップ)

2018年、時代の流れを受けEDMの勢いは低下、テクノ/ハウスが再び盛り上がり、ポストEDM時代を感じさせています。

近年は、クラブだけでなくフェスも騒音など開催に伴うトラブルで批判されることも。騒音ストレスが原因で Virginia Key 周辺に生息する魚の生態系を壊すというマイアミ大学の研究結果を受け、ULTRA MUSIC FESTIVAL の2020年開催を反対された。

こんなところにも、時代の波を感じさせます。


バウマンは、現代社会をソリッドからリキッドへの相転移(液状化)と捉えました。「リキッド・モダニティ」とは、既存の秩序がどんどんなし崩し的に解体していった先にある不確実な社会のことだ。その意味で、私たちは社会の転換期を生きているのだ。

どうやら音楽の世界もリキッド・モダニティの波に呑み込まれているようです。


本日の一曲

今回、最初気になった Youtube ビデオの BGMを探して、結局たどり着いたのは Deep house/Jazzy House 系。


Vick Lavender – Atmospheric Pressure (Sophisticado Main Mix)

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