WWDE19_レトロフューチャー

「弘法筆を選ばず」

ところが、空海自身「よい筆を使うことができなかったので、うまく書けなかった。」と述べているように、どうやら良筆を選んでいたようです。

つまり筆の性質状態を活かしきる力量こそが「弘法筆を選ばず」の本意。

そんな力量の持ち主が、筆をさらに最高の状態にカスタマイズできるとすれば、もっとすばらしい作品を世に残すことでしょう。

でも、余裕があれば道具だけでも良いものを手に入れて、せめて気分だけでもというのが凡夫が本音。

 


今年のAppleのWWDC 2019の基調講演で発表された内容は、

1)「tvOS」
2)「watchOS 6」
3)「iOS 13」
4)「iPadOS」
5)新型「Mac Pro」「Pro Display XDR」
6)次期macOS「Catalina」

について。

いつものことながら iOS や watchOS については興味がありませんので、関心はハードウエアの「Mac Pro」と OS「iPadOS」と「Catalina」。

 


レトロフューチャー

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Introducing the new Mac Pro and Pro Display XDR ― Apple

気になる価格はが5,999ドルから、同時に発表された新型ディスプレイ「Pro Display XDR」が4,999ドルとなっています。

フルスペックの「Mac Pro」と「Pro Display XDR」をセットにした場合の価格は 5万ドル(日本円にして約540万円)となり、なんと、BMW の新車を買うことのできる価格です。

さらにディスプレイ本体にセットされるスタンド「Pro Stand」が1,000ドル。

「Pro Display XDR」についてはソニーの4K/30型の業務用有機ELマスターモニター「BVM-X300」の価格は428万円(税別)ですので、プロユースとして実際はお値打ちなのかもしれません。

でも、みんなが待っていたディスプレーは、

LG マークではなくて、(Pro ではない)iMac と並べることのできる白いりんご輝くメタリック純正ディスプレーだったのではないでしょうか。
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今回発表されたで話題となったのは、チーズ下ろし器のような「Mac Pro」のデザインでした。

確かに見た目の印象はそのとおりなのですが、

 

感じたのは「レトロフューチャー」。

 

2000年代の Power Mac G5 デザインをそのまま進化させた、現在(未来)のデザインといった印象なのです。いつもどこかに生きもの(ペット)として見立てができる形状を加える本来の Apple らしいこのデザインは秀逸です。

 

思い出してみれば、2000年代の Mac 製品はアイデア溢れる新鮮なデザインで溢れていました。

 


2000年代の記憶

WWDC 2019に先立つ、5月28日にアップルは4年ぶりとなる新しい iPod touch(G7)を突然発表しています。パフォーマンスは最大2倍、グラフィックスは最大3倍向上とのこと。これも2000年代の記憶の流れのひとつなのでしょうか。
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iPod も最初発売されたのは2001年。

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その 2年後の2003年に 今回の新型「Mac Pro」のベースとなったと思われる Power Mac G5 が登場しています。

2000年代といっても正確には、1994年から2005年までの約10年間のこと。

 

そう「PowerPC 」の時代。

 


PowerPC 時代

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PowerPC というのは現在搭載されている Intel CPU 以前に Mac で使用されていた RISC タイプのマイクロプロセッサの名称です。

この CPU (PowerPC 601)を初めて搭載したのがピザボックスタイプで有名な Power Macintosh 6100(1994年)。以来、2006年 Intel CPU への移行するまでの12年間が PowerPC の時代。

・Perfoma 5000/6000 Series
・iMac
・Power Mac G4 Cube
・Mac mini
・Power Book
・iBook

様々な Mac が星のきらめきのように登場してワクワクしていた時代。

 

 

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初代iMac_ボンダイブルー(1998年)

パソコンの歴史において最も記憶に残るエポックメイキング的な存在でした。

昨年、20年周年を迎えたボンダイブルーの初代 iMac は PowerPC G3 を初めて搭載した、ジョブズとジョナサン・アイブが初めて手を組んで開発したマシン。

(ジョナサン・アイブは27年間在籍したアップルを2019年の後半頃に退社すると発表。)

キュートな丸三角の一体型のケース、付属品までのすべてをトランスルーセント(半透明)で統一することで新鮮さを演出。特別色に「ボンダイブルー」と名付ける化粧品のようなカラー戦略で女性層も掘り起こすことに成功。パーソナル・コンピュータをファッション・インテリアのように身近な存在にしました。

このトランスルーセント・デザインは、コンピュータ業界だけでなく様々な分野のデザインにも影響を与えることになりました。

iMac が USB を全面採用したことで、周辺機器が次々に発売されて USB の普及が一気に進んでいきました。さらに一年後には、Wi-Hi 機能を搭載して一気に無線 LAN 環境を一般家庭に普及させます。

 

 

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iBook クラムシェル(1999年)

「iMac to go」(「持ち運べるiMac」という意味)のコンセプトの下、「クラムシェル」と呼ばれる貝殻デザインで、ポリカーボネート製のボディをラバー素材で覆った頑丈なつくりでした。

カラーはブルーベリーとタンジェリンの2色(その後、グラファイト、キーライム、インディゴブルーが加わります。)で、デザイン上のアクセントとして「真っ赤なバケツのバレンタイン」のようにハンドルが付けられていました。

 

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Power Macintosh G3 Blue & White(1999年)

 

 

iMac の Power Macintosh 版といった位置づけだったのでしょうか。ブルーとアイスの組み合わせのトランスルーセントなミニタワー型を採用、「取っ手」がうまくデザインされていて移動しやすく、さらに側面のロックを外すだけで内部アクセスできるデザインでした。

FireWire と USB、ATA-4 を搭載した最初の Power Macintosh。
(ちなみに FireWire は2012年まで、2011年以降は Thunderbolt )

 

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Power Mac G4 Cube(2000年)

 

 

斬新なボックスデザインもさることながら、アイデア満載でこれぞジョブズの Mac といったところ。

脚部は透明のポリカーボネートでシルバーの立方体が宙に浮いているように見え、 光学ディスクが上部からトースターのように飛び出てきました。コンポーネントへは本体を逆さにしてハンドルを引くことでアクセス。本体と同じデザインコンセプトで新しく開発された Apple Pro Mouse と Apple Pro Keyboard。アンプやスピーカーはハーマン・カードンとの共同開発のもの。

ニューヨーク近代美術館(MoMA)のデザインコレクションとして所蔵されています。


Power Mac G4 Cube Tour – Vintage Apple Tours

機能的にいろいろ問題があり一年後には生産終了となりましたが、ミニマムサイズなボックスデザインは素材をアルミに変えて進化さた Mac mini へと引き継がれていきます。

 


そして Power Mac G5 登場。

 

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Power Mac G5(2003年)

 

2000年8月に発売された Power Mac G5 は Mac初の64bit CPU 採用機種。ボディはアルミニウム合金で前面はメッシュ構造。複数の大型ファンでエンクロージャ内部を効率よく冷却できるようになっていました。もちろんお約束の「取っ手」付きデザイン。

Power Mac は、2006年 Mac の Intel CPU への移行時に Mac Pro となりましたが、そのデザインは2012年まで継承されています。

 


 

それから7年後、新たな「Mac Pro」で Power Macintosh G3 Blue & Whiteの「取っ手」、Power Mac G4 Cube の本体ハンドル引き出し、Power Mac G5 の前面メッシュの全面復活です。(新しく車輪も付きました。)

 


 

やはり新しい Mac Pro には「レトロフューチャー」を感じさせる特徴があったのでした。

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本日の一曲

かって、PowerPC 搭載 Power Macintosh 全盛だった頃、こんな曲を聴いていましたっけ。


Ricky Martin – Livin’ La Vida Loca(1999年)

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