アウフヘーベン_進化は螺旋状。

それはまるで、しばらく姿を見かけなかった子供が突然青年となって目の前に現れたような気持ちでした。

Ennio Morricone – For A Few Dollars More(1965年)

やっと本来の Apple が戻ってきました。

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10月30日に開催された Apple のスペシャルイベントで、新型 Mac mini が発表されました。

October Event 2018 – Apple(2018年)

Macworld San Francisco 2005 – The Mac mini Introduction(2005年)


Mac mini といえば初めて手に入れた Intel Mac で、当時仮想的にハードウェアとしてのPC環境を構築して Windows を動作させるのに利用していた Virtual PC をマクロソフトが買収してしまい、この先どうなることかと心配していた時期で、ちょうど入れ違いにハードウエア互換となり、おかげでVirtual PC より高速に Windows を動作させることが可能になりました。

Steve Jobs introduces the Mac Mini Intel

ということで登場以来、現在まで歴代の機種を愛用しているのですが、4年ほど前からAppleの製品ラインから忘れられたようにアップデートが止まっていました。このままフェイドアウトしてしまうのかと心配していたところでの発表。

特に Mac mini というシリーズはエントリーユーザー向けだったのですが、その想定を超えてコンパクトで積み重ねが可能な形状ゆえの人気がニッチな領域に根強くあります。

Inside a Huge Data Center Filled with Apple Mac Computers

そこに iMac を凌ぐ最新の機能が搭載されたのです。やったとつぶやく mini ファン仲間の表情が目に浮かびます。

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オプションの充実

今回の Mac mini の特徴は基本的なスペックの底上げ(代償は最大消費電力 85Wから150W と75%の大幅アップ。)のほか、特にオプションの充実が目立ちます。

例えば、

プロセッサ
3.6GHzクアッドコアIntel Core i3/6コア 3.0GHz 6コアIntel Core i5
以下のオプションに変更可能: 6コア 3.2GHz 6コアIntel Core i7

メモリ
8GB 2,666MHz DDR4 SO-DIMMメモリ
以下のオプションに変更可能: 16GB、32GB、64GB

ストレージ
128GB PCIeベースSSD/256GB PCIeベースSSD
以下のオプションに変更可能: 256GB、512GB、1TB、2TB SSD

Ethernet
10/100/1000BASE-TギガビットEthernet(RJ-45コネクタ)
以下のオプションに変更可能: 10Gb Ethernet(RJ-45コネクタ)

など。

なんと、フルオプションでは¥463,800(税別)という価格になってしまいます。

(これはAppleの製品ライン内でエントリーレベルだった Mac mini の位置付けが変化したものと考えられます。)


ポートの充実

今回の Mac mini での注目点は、デバイスの背面にあるポート数の多さです。

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・Thunderbolt 3(USB-C)4ポート
・USB 3ポート(最大5Gbps)x 2
・HDMI 2.0 ポート
・ギガビットEthernet ポート(10Gb Ethernetに変更可能)
・3.5mmヘッドフォンジャック

4つのThunderbolt 3 ポートを搭載ということは iMac Pro と同数で iMac の2倍。これは 5Kモニターをフル解像度で1台あるいは4Kモニターをフル解像度で2台接続でき、最大40Gb/sのデータ転送、外部GPUとの接続が同時にできるということです。
(電源コードの数はかなり増えますね。)

HDMI 2.0 ポートは、4Kモニターをフル解像度でサブとして同時使用できます。

Ethernet もオプションでこれまでの 1Gb の10倍もの高い通信性能をもつ 10Gb Ethernet に変更可能、価格は¥11,000(税別)です。
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話題となっている Thunderbolt 3 の10Gb Ethernet アダプタの価格は現在¥30,000 前後。1/3程度の価格で最新のデータ伝送速度が手に入るわけです。

現在 10GbE対応の市販ルーターは見当たりませんが、ハブはそろそろ手頃な価格なものも登場し始めています。とうとう次期通信規格が手の届くところまできたことを実感させられます。Apple の面目躍如でさすがといったところ。

ヘッドフォンジャックも残されました。

あたりまえのようですが、すでに iPad や iPhone からは失われてしまっていますが、有線で接続できることは本当に重要なことなのです。

さらに物理的なポートではありませんが、

今回搭載された Bluetooth 5.0は、現在 iMac に搭載されている Bluetooth 4.2x と比較して、通信範囲が10mから100mへ広り、転送速度が1mpsから2mpsへと最大2倍に、つまり通信速度が約2倍になります。


外部拡張

外付けグラフィックプロセッサ

以前から Apple と相性がいいはずと考えていた Blackmagic Design 社の製品が意外な形で登場しました。

新 Mac mini の発表と同時にBlackmagic Design 社から Thunderbolt 3 ポート用の Radeon Pro 580グラフィックプロセッサを搭載したeGPU を発表されました。(Blackmagic eGPU Pro は AMD の Radeon RX Vega 56 を搭載)

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Blackmagic eGPU

必要に応じ、同じサイズの筐体のまま eGPU を使って外部に高性能なGPUを追加できることは電源供給や発熱問題を考えると合理的。

この機能も Mac mini が搭載したのは驚きです。いままでならば MacPro の領域として切り捨てられていたことでしょう。

ところで、

今回 Blackmagic Design という会社の eGPU 製品が注目を浴びているわけですが、 この名前を目にするのは今回が初めてというわけではありません。

6年ほど前、過去に撮りためたアナログ 8ミリビデオをデジタル変換するときに Blackmagic Design の「Blackmagic Video Recorder」という Mac用A/Dコンバーターを利用したのですが、アプリケーションを含めその性能の高さに驚いたのを覚えています。とくに手振れ補正機能は最高でした。

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Blackmagic Video Recorder(2012年)

そのことを取り寄せてもらった Mac の販売店に話したところ急に在庫を置くようになりました。


次世代ハンドヘルド4K デジタルフィルムカメラ

そして今年の4月に発表され話題なったのが「Blackmagic Pocket Cinema Camera 4K」動画に特化したマイクロフォーサーズデジタル一眼レフカメラです。

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4/3サイズセンサー、13ストップのダイナミックレンジおよび25,600までのデュアルネイティブISOをサポートしているため、HDRイメージに対応でき、低照明条件で驚異的な性能を発揮します。外部コントロールで、重要な機能にすばやくアクセスでき、5インチの大型タッチスクリーンでショットのフレーミング、的確なフォーカス、カメラ設定の変更が簡単に行えます。ProRes/RAW収録に対応した内蔵SD/UHS-IIまたはCFast 2.0レコーダー、外付けディスクへの収録用USB-C拡張ポート、MFTレンズマウント、内蔵マイク、ミニXLR入力、フルサイズHDMI、3D LUTサポート、Bluetoothなどを搭載。

撮影解像度
4096×2160(4K DCI)、3840×2160(Ultra HD)、1920×1080(HD)
コーデック
CinemaDNG RAW、CinemaDNG RAW 3:1、CinemaDNG RAW 4:1、ProRes 422 HQ QuickTime、ProRes 422 QuickTime、ProRes 422 LT QuickTime、ProRes 422 Proxy QuickTime

カメラとしてはスチル写真ボタンを録画開始ボタンの横に配置しているため、撮影中でも瞬時に静止画を撮影することが可能。

動画編集ソフト DaVinci Resolve Studio(¥36,000)が同梱されての¥147,800(税抜)という価格。これでも同機能の他社製品の半額くらいでしょう。

Blackmagic Pocket Cinema Camera 4K 「Nature」


久しぶりに身の回りのデジタル環境が新しいフェーズに入りつつある予感がしてきました。これから何が生みだされるのか楽しみです。


最近のアップル製品について

このMac mini の発表以前にもApple の Mac製品に対する方針見直しの動きが感じられています。

Mac本体

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2017年12月に発売開始された iMac Pro。

キーボード

ずいぶん待たされたテンキー付きの新ワイヤレスキーボードは昨年発売されています。そして今年の 3月にはスペースグレイモデルの単体販売も開始しています。
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マウス

マウスについては、ロジクールのマウスが手に馴染んでしまって指の一部と化していますので Apple のマウスについてはよくわかりません。
(ただ、相変わらず充電中は腹を上にせざる得なく、相変わらず変なマウスの印象は変わりませんが。)

macOS

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新しい Mac Mini にプリインストールされる macOS 10.14(Mojave)については現在試用中ですが、Office 2016 で過去のMicrosoft Office ファイルのフォーマットが崩れるといった現象が一部で起きるようですが、Microsoft Office は使用しないので問題はありません。

それよりも、お気に入りの APFS (Apple File System)に安定感が感じられ、さらに Fusion Driveとハードディスクにも対応したことで異なるフォーマット間での問題が解消、ユーザーデータの移行時の驚く速さに SSD を利用するメリットを実感しています。(ZFS もどきと言われてもやはり、基本であるファイル管理システムのモダン化は重要。)

そしてダークモードの搭載。


変な方向に進んでいた Apple が Mac を通して本来の Apple に回帰を始めたのかもしれません。


本日の一曲

フランスの作曲家のフランシス・レイさんが亡くなっていたことが、2018年11月7日に報じられました。86歳でした。

Francis Lai 「エモーション」 Emotion(2006年)

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