にわか大仏マニア

1934年(昭和9年)に製作・公開された特撮映画『大仏廻国・中京編』のリメイク版『大仏廻国 The Great Buddha Arrival』が年内に公開予定です。


映画『大仏廻国』10秒予告

『大仏廻国・中京編』

 

1934年(昭和9年)製作・公開、枝正義郎監督による日本の長編劇映画。怪獣映画に代表される日本の特撮映画作品のイメージを明確に打ち出した最初期の作品とされる。愛知にある大仏像が突如起き上がって動き始め、名古屋の観光地を巡る日本初のミニチュア着ぐるみ特撮作品と言われている。フィルムは戦災で焼失したとされ、現存は確認されていない。

聚楽園大仏が開眼し、名古屋市内(真宗大谷派名古屋別院、本願寺名古屋別院、大須観音、名古屋城)を巡り歩く。犬山城の側で一睡した大仏は真清田神社を参詣した後、再び名古屋市内に戻り名古屋公会堂、名古屋市議会、松坂屋、覚王山、鶴舞公園を巡り、浄福寺大仏と対面する。大仏は地獄を巡った後、雲に乗り東京に向かう。

Wikipedia

大仏が歩く。しかも名古屋の名所を巡り歩く。想像するだけで何だか楽しいけれどよく考えれば恐ろしい、そんな映画が昭和初期にあったのかと驚きました。


でもこのシーン、どこかで観た記憶が。


歩く大仏_老人Z

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思い出したのは、「歩く大仏」といえば鎌倉が舞台のアニメ映画『老人Z』。

介護ロボット、第6世代コンピューター、超小型の原子力動力、老人ハッカー、AI による人格シミュレート、自立改修ロボットなど大友克洋らしい発想満載で面白く同時に科学技術と人間の関係についていろいろ考えさせられた作品です。

そのラストシーンで登場したのが、第6世代コンピューターがいろんなガラクタを寄せ集めることで動くようになった鎌倉大仏でした。

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『老人Z』1991年

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鎌倉大仏_Wikipedia

にわか大仏マニア登場

身近かに御座(おわ)した大仏さま達

大仏といえば「奈良大仏(東大寺盧舎那仏坐像)」「鎌倉大仏(高徳院阿弥陀如来坐像)」などが有名ですが、全国には100体以上の様々な大仏が建造されていてます。

地元(愛知)を調べてみれば、全国でいちばん仏教寺院の多い県ということもあるのでしょうか、『大仏廻国・中京編』で立ち上がり歩き回った聚楽園大仏を始めとして、いろいろな大仏さま達が御座すようです。

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タウンネット

五色

大仏・大観音にも様々なカラーバリエーションがあります。そしてカラーによってずいぶん仏様の印象が違います。

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五色(ごしき)とは仏教において如来の精神や智慧を5つの色で表す。青・黄・赤・白・黒が基本となる五色だが、青の代用に緑、黒の代用に樺色や紫を使うことがある。

そこでにわか大仏マニアとしては訪れたい大仏を五色別に選択してその違いを味わいながら、身近かなところから大仏さま巡りを始めることに。


緑(青)大仏

名古屋大仏

青と緑

青と緑を混合する文化は、研究者の世界では「green + blue = grue」と呼ばれ、13世紀以前の中世の英語でも平安時代以前の日本と同じ状況が見られた。言語が発達する過程で二色は分離し、それぞれを区別する表現が生まれる過程は世界中の言語がかならず通過する進化のポイントだという。

 

最近ネットなどでこの「グリーンエメラルドの大仏」が話題にのぼることも増え、名古屋市交通局のパンフレットの表示を飾ったりするようになってきました。

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「名古屋大仏」は名古屋市の本山交差点から南にあたる四谷通沿いにある桃巌寺(とうがんじ)に御座(おわ)します像高10m(台座を含む全高15m)の釈迦如来坐像です。

そんなに離れたところではない地元名古屋の大仏さまを拝していないのが気にかかって訪れてみることにしました。


久しぶりの四谷通。

地下鉄本山駅から桃巌寺に向かうこの四谷通は大学生時代によく通った道。

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日曜日ということあり人影もまばらな四谷通

本山界隈を歩いてみた。学生時代に通い慣れた道である。今は地下鉄名城線も全線開通し、本山駅から歩いて通う学生も少なくなった。当時の名大生の風評は、ダサイ・暗い、そして私について言えば貧乏であった。オシャレな四谷通りをそ知らぬ顔で抜け、古ぼけた灰色コンクリート造りのどれも似たようなマッチ箱校舎の一つにトボトボと通っていたのであった。そこに未来型ガラス張りの地下鉄名古屋大学駅出入口と、その隣に相応するかのようにガラス張りのピロティ上屋を持つIT関係の背の高い学舎が現れた。

まばゆい!これらの設計にあたってはその配置からデザインに至るまで、関係者による10年以上の歳月に渉る協議と努力が重ねられ、将来を担うかっこいい人材を輩出する勉学の都の新たな玄関口に似つかわしい、知的で調和のとれた近未来的な景観を実現させた。私は感嘆の声をあげる。素晴らしい!しかし、これらの施設に出入りする学生の多くは昔と変わらず、真面目そうで地味でかっこ悪くダサイのであった。私は少しホッとし少し安心するのだった。

第12回愛知まちなみ建築賞(2004年)_都築 敏

まだ地下鉄が延長されていない頃、南山大学・名古屋大学の学生は本山交差点からこの道を歩いて通っていました。一日中多くの若者で賑わう沿道には洒落た店が多くありましたが、2003年に地下鉄が延長され道ゆく学生の数が減ったのでしょうか、そんなお店も少なくなっているような気がします。

そしてこの通り沿いに何やら変わったお寺があることも知っていましたが一度も訪れたことはなく、最近まで大仏が御座(おわ)すとは知りませんでした。

調べてみれば、1987年(昭和62年)に完成、2006年(平成18年)緑色の着色を施されたということで、大学卒業後10年を経た頃に建造されたのですから知らなかったのも仕方がないことでした。


桃巌寺

大きく「桃巌寺駐車場」と書かれた看板を過ぎてさらに石垣に沿って行くと左手に石柱門が現れ奥へと続く参道があります。

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弁才天を祀っていることを示す朱塗りの木組みで通門を白漆喰で固めた唐風山門。
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弁才天

このお寺には「名古屋大仏」のほか、触れると、過去の一切の悪行が消滅すると云われる樹齢100年のクスノキでつくられた直径 1mの日本一の「木魚」、寝姿の弁天様の「ねむり弁天」などもあるそうですが、

今日のところは「名古屋大仏」。

唐風山門をくぐり参道の奥を右手を進みます。

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実はエメラルドグリーンということで少々心配したのですが、予想したより明るい爽やかな印象でいいお姿。

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考えてみれば銅製で緑青(ろくしょう)の浮いた仏像もあるわけで、そんなに異質な感じがするわけではありません。逆にムラになった緑青で覆われているよりスッキリしてさわやかな印象のステキな大仏さまでした。

名古屋に立ち寄る機会がある方には、ぜひ観て欲しい大仏さまです。


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思い出したのは若い頃訪ねたタイのエメラルド寺院のプラ・ケーオ(エメラルド仏)


黄(金箔)大仏

岐阜大仏(釈迦如来坐像)か岡崎の涅槃像(一畑山薬師寺純金箔薬師如来涅槃像)かどちらにするか迷っているところです。

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赤大仏

聚楽園大仏(阿弥陀如来坐像)

こちらは阿弥陀如来の大仏。

像高18.79mの鉄筋コンクリート製。1985年(昭和60年)に銅色に塗装し直されているので、見た目は銅製の大仏に見えます。

『大仏廻国 The Great Buddha Arrival』で話題になるまで、近くにあることも知らなかった大仏です。折角なので訪れてみることにしました。

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名鉄常滑線の聚楽園駅の改札を出るとすでに聚楽園公園の向こうの森から大仏さまが顔をのぞかせていました。

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その方角に進んで階段を昇って行くと、

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木々の葉に見え隠れしながらご尊顔が見えてきます。

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これが1934年に発表された映画『大仏廻国・中京編』で突如起き上がって歩き回った大仏さま。

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ポツンと。

でも、まわりには本堂や伽藍らしきものは見当たりません。ただ、大仏さまだけがポツンと座しているだけです。

どうやら現在は曹洞宗系のお寺の所有ということですが、元々信仰としてではなく聚楽園という遊園地への集客が目的の建立だったためのようです。

そんな寂しさゆえに、起き上がって名古屋市内や近郊の神社仏閣を訪れたのかもしれません。

 


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もう一体、愛知県西尾市には「刈宿の大仏(かりやどのおおぼとけ)」というコンクリート製で赤銅色に塗装された光背のある大仏があります。

 


□ 白観音

大船観音(大船観音寺白衣観音像)

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大船観音_Wikipedia

この夏、鎌倉を訪れる機会がありそうなので、そのときに詳しくお伝えします。

 


■ 黒大仏

東京大仏(乗蓮寺阿弥陀如来坐像)

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東京大仏_Wikipedia

う~ん。東武東上線赤塚駅の近くということなのでちょっと遠いのですが、『あたしンち』の舞台に近いので行く機会があればぜひ拝観したいと思っている大仏さま。

 


本日の一曲

生きとし生けるもの、「生きる」がゆえに起きる様々な矛盾。

それを静かに見守る日本の神さま仏さま達。

天と地と人、その存在は今どこに御座すのでしょうか。

もののけ姫 (アシタカせっ記 ~ タタリ神) / 久石譲 in パリ

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