街道ぐるり特急旅_高尾山

昨年は西に高野山を訪ねたのですが、今年は東へ高尾山を目指しました。どちらも山頂には真言宗のお寺があります。
(観光として楽に登れそうなのも大きなポイント。)

高尾登山開始


エヴァンゲリオンヤシマ作戦

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高尾山には6つの自然研究路をはじめ、いくつもの登山コースがあります。

高尾山の案内には、

1号路(自然研究路)

薬王院の表参道。お店もたくさんあるメインコース。

薬王院に参拝するための表参道で、薬王院に至るまでの参道はすべて舗装されています。舗装されていないのは山頂の手前の短い区間だけですので、普段着でも気軽に登れます。(ケーブルカーを使って薬王院に行くだけなら、革靴で参拝される方もたくさんいます)途中、ケーブルカーの駅やさる園、杉並木、薬王院を通り、食事処なども数多くある最もにぎやかなコースでもあります。

初心者でしかも雨模様ということで、今日は迷わず1号路を選択。

京王線の高尾山口駅からケーブルカー & エコーリフトの乗り場の清滝駅に向かいます。

ところが、

実は京王高尾山口駅からすぐに登り始めるものと考えていたのですが、駅の出口には何もなく、歩く人もいなくてどの方向へ進んで行けばいいのか解らず焦りました。

やっと高尾山に向かうグループを見つけて、ついていくと色んなお店が並ぶ道に入り、清滝駅に到着。

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さっそくケーブルカーに乗り込みます。
(所要時間6分、定員135名)

雨の日特典で、待たされることなく乗ることができたケーブルカーは、最急勾配31度18分付近ではかなりの傾斜で、何かにつかまらずには立っていられないほどでした。

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天狗焼き

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ケーブルカー終点の高尾山駅で販売しているという人気の「天狗焼き」を賞味しようと店を探します。

日曜日ということで、覚悟していたのはこんな行列。

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実際は、

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並んで待たされることなく買うことができました。これも雨の日特典でしょう。

気になったのはこの売店の様子。

写真とはなんだか違うような。でも同じのれんですし、「天狗焼き」は売店香住でしか販売していないはず。

後から調べたところ、そば処香住、売店香住と天狗屋は、店舗改装のため仮設店舗で営業していたようです。


十一丁目茶屋

ここが、机竜之助を乗せた駕籠が蛇滝からの急勾配を登って着いた十一丁目でしょうか。丁度霧も立ち込めていて雰囲気満点。

ここも『大菩薩峠』ファンとして一度は訪れてみたかったところ。

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雨のしとしとと降る中を、わざと甲州街道の本街道を通らずに、山駕籠に桐油をまいて、案内に慣れた土地の駕籠舁が、山の十一丁目まで担上げ、それから本山を経て五十丁峠の間道を、上野原までやろうとするのは、変則であってまたかなりの冒険です。

しかし、駕籠屋が好んでそれをやるわけではなく、また乗る人が好んで、それを行きたがるわけでもなく、要するに女の特別の頼みと、駕籠屋が山上に住んでいて、往返の距離と案内においてかえって優れているせいと思われます。女は、そこまで見送って、別に一人の男をつれて、駕籠屋には駄目を押して、参籠堂から本道を家へ帰ってしまいました。

十一丁目までの間は、壁にのぼるような急勾配。それから道は緩ゆるやかになって、そこで駕籠屋たちも無駄話をする余裕が出来ました。

大菩薩峠(中里介山)無明の巻より

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男坂・女坂

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1号路を薬王院に向かって歩いていると、たこ杉、浄心門を抜けたあたりで、道が二手に分かれます。 左が急な階段道(108段)の「男坂」、右がなだらかな坂道の「女坂」。

高尾山マガジン

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なだらかな坂道の「女坂」にしたかったのですが、もうひとり張り切っていた方の要望により「男坂」ということに。

毎日地下鉄駅の75段ある階段を上っていますので、大したことはないと登り始めたのですが、やはり最後の10段はきつかった。


山門をくぐり、境内へ。

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山門(四天王門)

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境内

平成に建立された愛染明王堂、歓喜天堂、八大龍王堂などではあからさまに「恋愛成就」「夫婦和合」などの利益を謳っており、おふだ、お守り、おみくじの種類をみても明らかに「万能」化してきた。ご利益の万能化傾向はどの寺社にでもあり珍しい事ではないが、高尾山の場合はまさに福神ダキニ天への回帰現象として「稲荷化」しているといえる。つまり縁起が人の手で書かれるように、現世利益とは神仏が作り出すものではなく、人々が時代に合わせて生み出すものである。飯縄信仰も「戦神」→「火防神」→「万能(稲荷)神」と姿を変えつつある。これは現在進行形だ。

ぞえじいの福々巡り

鈴生り_倶利伽羅龍(くりからりゅう)

たまたまなのかもしれませんが、この日の高尾山は若い女性の登山者が多かった気がします。

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そして、彼女らが過ぎ去った後に現れたのが、縁結びの神様として大人気な薬王院の『倶利伽羅龍』。

不動明王の倶利伽羅剣を挟んで2頭の龍が絡んでいる像は、龍が交尾をしている姿といわれています。開運の鈴に名前を書いて、開運縄に鈴を結んで願いを込めて鈴を鳴らすと良縁に巡り合えるそうです。

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この願掛けされた大量の鈴をみても、やはり女性にとって良縁は一番の願いなのですね。

これが本当の「鈴生り」。


真言は「オン チラチラヤ ソワカ」
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本尊として薬師如来が安置されている薬王院御本堂は仏教寺院、その奥にある飯縄権現を奉った本社(権現堂)は神社。寺院の中にある神社という形態は神仏分離以前の神社の姿の一つの典型例。

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薬王院御本堂

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高尾山薬王院本堂の右側へ進みます。

飯縄権現堂

本当は左側の階段から飯縄権現堂に向かうべきところを、何を勘違いしてしまったのか大師堂まわりでのルートにしてしまいました。おかげで、天狗信仰の霊山に来たのに飯縄大権現にお参りすることができませんでした。これは大失敗でした。

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下山途中でも権現堂のことを思い出したのですが、その場に来ると再び失念して通り過ぎてしまい、まるで「来るな。」と言われたようです。

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山頂

この石段から先を登りきれば、すぐ高尾山頂。

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山頂もやっぱり小雨模様。

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大見晴台に向かいます。


大見晴台_この霧のむこうでは。

大見晴台からの眺めも真っ白。でもその向こうをじっと見つめていると、竜之助と駕籠屋たちの姿が。

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蜿蜒えんえんとして小仏へ走る一線と、どこから来てどこへ行くともない小径と、そこで十字形をなしている地蔵辻は、高尾と小仏との間の大平です。

四方に雲があって、月はさながら、群がる雲と雲との間を避けて行くもののように、景信と陣馬ヶ原はらの山々は、半ば雲霧に蔽おおわれ、道志、丹沢の山々の峰と谷は、はっきりと見えて、洞然どうぜんたるパノラマ。その中に置き据すえられた一つの駕籠。

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根が正直な土地の駕籠屋だけに、まじめになって駕籠の中の客に相談をかけると、その理由を知ることのできない竜之助は、

「どうして」

「今晩は、いけない晩でございますよ」

「何がいけない」

「お聞きになりましたか、今、怪しい旅の人が、煙草の火を借りて参りました、それが、その、ただの人ではないのでございます」

「ただ人びとでない?」

「ええ、さきほどもお話し致しました通り、この高尾のお山には、昔から天狗様が棲すんでおいでなさるのです、そうして今の旅人がたしかに、その天狗様に違いありません」

「ばかなことをいうな、拙者もここでその旅人のいうことをよく聞いていたが、人間の声だ」

「左様でございます、言葉だけをお聞きになったんでは、ちっとも人間と変りはございません、また姿を見たって人間とちっとも変りはございませんが、旦那様、歩くところをごらんになれば、直ぐわかります」

「何か変った歩きつきをして見せたか」

「変ったどころではございません、今ここで煙草の火をつけて、霧が捲くから用心しろとおっしゃったかと思うと、もう二十八丁目の天辺てっぺんへ飛んで行ってしまいました」

「羽が生えて飛んで行ったのか、足で歩いて行ったのか」

「それは、よく見届けませんでしたが、二人がこうして傍見わきみをしているかいない間に、もうあすこまで一飛びに飛んで行ったんですから、おおかた羽が生えたんでしょう」

「心配することはない、ずいぶん世間には足の迅はやい奴があるものだ、人間業にんげんわざとは思えないほどに迅い奴があるものだ、そういう奴が、よく山道の夜歩きなぞをしたがる」

「足の早いといったって旦那、たいてい相場がありましょう、今のあの旅人なんぞは……」

「たとい、天狗にしろ、お前たち、なにも天狗に申しわけのないほど悪いことをしているわけではあるまい」

「いいえ、論より証拠でございます、天狗様がお知らせになった通り、晴れた月夜が、このように霧になってしまいました」

「かまわず目的通りの道を行くがよい」

「でも旦那、ほかの者と違って、相手が天狗様じゃかないません」

「お前たち、天狗に借金でもあるのか」

「御冗談をおっしゃってはいけません、罰ばちが当ります」

「罰は拙者が引受けるから、かまわずやってくれ」

「行くには行きますがね」

二人の駕籠屋は怖々こわごわながら棒に肩を入れました。

大菩薩峠(中里介山)無明の巻より

駕籠屋との会話のこの部分、ニヒルな机竜之助とは思えないユーモアがあってお気に入りのところ。

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たぶん、山中のこんな霧の中での会話かなと想像してしまいます。


帰路

同じ道を戻ります。

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仁王門

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ケーブルカー乗り場を通過。

雨が上がり薄日が差してきたので、帰路はエコーリフトにしました。

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遠くに姿を現したのはジブリのアニメにもよく描かれる、多摩ニュータウン。南大沢のマンション群までは見えているようです。

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スタート地点の清滝駅に到着。駅に戻ります。

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柿の木が屋根を貫いて外にまで伸びている、蕎麦座「高橋家」。

今回のお気に入りショット。

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お蕎麦屋さんに向かうアメリカンなTシャツのボクとロングドレスのお母さん。なんか不思議な雰囲気。

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戻り道に沿って流れる清らかな小川、そしてヤシの木?

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次の目的地に向かうため、JR線ではなく京王線の高尾山口駅から電車に乗ります。


聖蹟桜ヶ丘へ

高尾山口
高尾 狭間
めじろ台
山田
京王片倉
北野 (長沼)
高幡不動

聖蹟桜ヶ丘

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午後2時30分、聖蹟桜ヶ丘に到着。

次回「聖蹟桜ヶ丘と八王子の夜」につづきます。

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