アニメの風景_『あたしンち』_電話機

気になったのは、電話にまつわるエピソードによく登場する居間のサイドボードにある電話機。

タチバナ家のでんわきっ

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女性にとっておしゃべりの必需アイテム「電話機」への深い思い入れを感じさせる描写です。

原作に描かれているのは80年代の懐かしいカセットテープ式のアナログ留守番電話。94年の時点で10年以上前の電話機をよく覚えていたのに驚きます。(ひょっとして作者の実家ではまだ使用していたのかもしれません。)

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そこで電話機の変遷を。

60年代

  • 1969年 プッシュホン開始(ピッポッパッ)

70年代

  • 1970年 キャッチホン
  • 1972年 プッシュホンカラー化(ホワイト、グリーン、レッド)
  • 1973年 電話ファックス
  • 1975年 国際ダイヤル通話
  • 1977年 留守電サービス(局側)
  • 1979年 自動車電話(携帯電話)

80年代

  • 1985年 電話機自由化(ファッション電話機)
  • 1985年 留守番電話機能搭載電話機(カセットテープ)
  • 1985年 ショルダーホン開始(携帯電話)
  • 1987年 コードレス電話機(親子電話)
  • 1987年 携帯電話(アナログ)

90年代

  • 1992年 女子高生にポケベル流行
  • 1993年 コードレス固定電話(デジタル)
  • 1994年 着メロ(ポケベル)
  • 1995年 PHS(デジタル)
  • 1996年 ポケベル流行ピーク
  • 1998年 PHSピーク、以降携帯電話へ
  • 1999年 iモード

00年代

  • 2003年 子機間通話
  • 2008年 iPhone 3G

うーん、こうしてみるといろいろありました。

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コードレス親子電話も80年代の終わりには登場していますが、電話機自由化以前の作者17歳の頃にはなかったハズ。

そして、アニメ版(2002年)に登場したのはこちら。

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SONY IT-C222(2001年)

どうやら、2002年のアニメ放送開始前年に発売された、ジョグシャトルが特徴のソニーの電話機がモデルのようです。

この機種は当時の最新機能満載のデジタル留守番電話機で、タチバナ家はこんな最先端の電話機も使いこなしていたようです。

ただ、描かれているのはアンテナがついている親子電話の廉価版で子機がついていません。できるだけ「あたしンち」の雰囲気に合わせようとしたのでしょうか。

女の子だった時代、電話の想い出。


Cyndi Lauper – Girls Just Want To Have Fun (Official Video)1983年

最近は友だちの存在にいつもより深く感謝していて、救われています。

どんな辛い日々でも、彼女たちがいれば幸せだし、辛さも吹き飛ぶんです。

辛くても、思いだすと笑える…そんな幸せをくれる友だちを愛してます。

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「昔は電話の無い家もたくさんあって、他人の家で電話を借りることも多かった。他人を不必要に家の中に入れないために電話は玄関に置いていた。その時の名残なの。」

「ダイヤル式の電話は廊下に置いてありましたよ。冬はさすがに寒かったけど、そういう時は毛布にくるんで、椅子を持って来て電話をしていました。」

「うちは居間に設置してました。 彼氏と電話で話す時に家族がいる場所だったのですごくイヤでしたよー。」

「長い延長コードがついていて、普段は畳んでいても彼氏の時は、ズルズルとコードを延ばし、自分の部屋に入って電話していました。」

発言小町_yomiurionline

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あたしンち ケース・カバー iPhone 7

その後、一家はそれぞれ携帯を持つようになり、アニメの『新あたしンち』ではみかんがおかあさんに「スマホ」をおねだりしたりしています。

電話機もやっぱり、1985年っ

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ところで、どうしてこんな小道具の電話機が気になるのかといえば、固定電話機という機械にはずいぶん想い出があるからです。

やはり、1985年まで遡ります。

それ以前といえば、電電公社のダイアル式黒電話で電話機自体をユーザーが選択することもできなかった時代がずっと続いていました。やっと1969年にボタン式「プッシュホン」、1972年から「グリーン」「ウオームグレー」「アイボリー」のカラー展開がされて、色だけですが選べるようになった程度の進化でした。

たぶん、あたしンちの原作者自身が実際に使用していた電話機はこの時代のものでしょう。

そして1985年

この年は日本経済における最大の分岐点のプラザ合意以外に、携帯電話が普及するまでのあいだ固定電話機がどんどん進化するきっかけとなった「通信自由化」電気通信改革三法の施行がありました。

通信自由化30年_総務省

端末設備は自由に接続できることとなり、留守番電話・コードレス電話・ファクシミリなどの普及が促進されました。端末がモジュラージャック化されて簡単に接続できるようになったのもこの頃。(モジュラージャックのことを「プッチン」と呼んでいましたね。)

始まった固定電話機フリーク。

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そこで早速手に入れたのが Iskra( イスクラ )というユーゴスラビアの電子機器メーカーの「Telephone ETA 80」(1980年)という電話機。

それまで日本には存在しなかったその夢のようなスタイリッシュなデザインが気に入って購入。

世界中でよく売れた機種のようで、現在では地元スロベニアの現代史博物館にも収納されています。


Telefon Iskra ETA 80 / Iskra ETA 80 Telephone

それからいろいろ電話機を買い替えて楽しんでいました。

90年代の光り物っ

ところで、90年代のわが家はこんな光る電話機。

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ビクター TN-A66(1996年)

このビクターのコードレス電話機シリーズには、角型、楕円型、留守番機能付、子機付とさまざまなバリエーションがありました。

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楽しかったのは、一見ダイヤルのようで実はボタンというギミックな外見と押したボタンが光ったり、電話がかかってくるとダイヤルボタンがクルクル廻って光ること。

暇なときはいつも電話がかかってこないかなと、じっと見つめていましたっけ。(本当は電話で話をするのはあまり得意な方ではないのですが)

その後、意外に少なくなったのは親機が無線の機種。子機付きが増えた影響だったのしょうか。

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パナソニック VE-GD51D(2011年)

こちらもアンテナの光る「ナショナル」製品らしくちょっと控えめのヒカリモノでした。

「ピッチ」は音が良かった。

パーソナルアイテムの携帯電話には思い入れのある方も多いと思います。

携帯電話に比べて利用可能なエリアが狭く、通話が途中で切れやすいということで今はあまり姿を見かけることも少なくなった PHS 。現在でも出力の大きな携帯電話の電波が使えない医療現場などでは使われているそうです。

最盛期には契約のおまけとしてあちらこちらで配られていて、奇妙な時代になったものだと思った記憶があります。

それでも初期のアナログ方式の携帯電話は電波の干渉や、音声のデータ量が少なく音が悪かったのに比べ、「圧倒的」に音が良かったことが印象的でした。

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とくにお気に入りだったのは2001年に発売されたドコモの折りたたみ式パルディオ633S。デザインが気に入っていて、まだ引き出しのどこかに転がっているはず。

ところでデジタル電話は誰の声?

アナログ電話は本人の声を忠実に再現していますが、デジタル回線では、音声を声の特徴と音韻情報に分類し、音韻情報だけをデータ化。そして声の特徴に関しては、数千種類の音が登録された音の辞書「コードブック」を使って、話し手と似たような音声を作り上げています。

つまり合成された相手の声を聞いているということ。

いつの間にか身近なところで、電脳とリアルが溶け合っていたのです。これが本当の未来の姿なのでしょう。

本日の一曲



Kaoma – Lambada (1989)

いのち短し 恋せよ乙女
あかき唇 あせぬ間に
熱き血潮の 冷えぬ間に
明日の月日は ないものを

いのち短し 恋せよ乙女
いざ手をとりて かの舟に
いざ燃ゆる頬を 君が頬に
ここには誰れも 来ぬものを

いのち短し 恋せよ乙女
波にただよう 舟のよに
君が柔わ手を 我が肩に
ここには人目も 無いものを

いのち短し 恋せよ乙女
黒髪の色 褪せぬ間に
心のほのお 消えぬ間に
今日はふたたび 来ぬものを

ゴンドラの唄(1915年)

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