夏の終わりの風物詩について

地元名古屋では「にっぽんど真ん中祭り」なるものが始まりました。

こちらは単なるイベントのためのイベントなので、日本的「伝統」や「情緒」「風流」はあまり感じられません。まるでコンクリート造りのどこかのお城と同じ。

お祭り騒ぎが大好きな子供たちには楽しい行事となっているようですが、せめて徳川宗春を讃え偲び、かって芸どころでその名を馳せた名古屋の伝統の片鱗を感じさせる大衆芸能に育って欲しいもの。

大曲の花火


【4K】2015大曲の花火 大会提供花火「あさきゆめみし」

わが家の夏の終わりを告げる風物詩は「大曲の花火」の TV 中継。

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もとは大曲諏訪神社祭典の余興花火として始まった大曲の花火大会。

今年は台風9号の影響で大雨に見舞われ雄物川河川敷に設けた桟敷席の約7割が一時水没し、修復準備が大変だったようです。

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BS 秋田大曲・全国花火競技大会

幼い頃は、自宅から夜空に大きく広がる矢田川の花火を見上げていたのですが、別のところに移り落ち着いた現在は、ベランダから遠くに小さく名古屋港の花火の輪を見下ろすだけ。実際に会場に出向くには人出も多く、とくに帰路の混雑がたいへんなので、二の足を踏んでいました。

そんなとき、初回中継放送に偶然チャンネルを合わせたのが「大曲の花火大会」観賞の始まり。かれこれ 18年近く前のことになります。

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当時は時間はあっても予算がないのがBS放送でしたので、局内のプロのカメラマンを動員することができなかったのでしょう。カメラが花火を追いかけられずがフレームの外になってしまったり、それはもう映像としては実にひどいものでした。

さらに競技大会という性格上、他の花火大会の中継のようなカメラワークによる演出が最小限に抑えられていますので、絵的にドラマティックでもありません。(最近はスターマインなどの仕掛け花火も写すようになって、多少演出した画像も放送するようになりましたが。)

それでも、鑑賞ポイントを聞きながら、打ち上げられる花火をひとつひとつじっくりと味わう形式の花火中継はいままでにないスタイルで、毎年の中継が楽しみのひとつとなったのです。


イケブン創造花火

由 来

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長岡の戦没者慰霊花火「白菊」

歴史ある夏の花火大会もその由来に死者の慰霊や悪霊退散のためのものがあります。

そして盆踊りもまた同様。

盆踊り(精霊供養としての)

盆踊りには精霊供養系と念仏踊り系があるようで、庶民の娯楽としての念仏踊り系はいまや全盛です。

日本三大盆踊りは秋田の「西馬音内の盆踊り」岐阜の「郡上踊り」徳島の「阿波踊り」ということになっていますが、このうち精霊供養として姿が感じられて魅力的なのは「西馬音内の盆踊り」。

そして、それ以上にぜひ一度行ってみたいのが「おわら風の盆」。

おわら風の盆


おわら風の盆 2012 HD

おわら風の盆は、富山の八尾町で毎年9月1日から3日にかけて行なわれ、越中おわら節の哀切感に満ちた旋律にのって、坂が多い町の道筋で踊り手たちが洗練された踊りを披露します。

「おわら風の盆」のように静かで哀愁を感じさせる盆踊りが人気なのは、日本人の心の奥深くには精霊崇拝の気持ちがまだまだ残っているからでしょうか。

今年も前夜祭が始まっています。


おわら風の盆2016 下新町の前夜祭

亡者踊り

もうひとつ気になるのが「亡者踊り」とも呼ばれる盆踊り。

盆踊り

死者の供養の意味合いを持っていた初期の盆踊りは、新盆を迎える家に人々が赴き、家の前で輪を作って踊り、家人は踊り手を御馳走でもてなした。盆には死者が家に帰って来るという考え方から、頬被りをして人相を隠し、死者の生き返った姿に扮した人がその物語を演じたという。

Wikipedia

頬被りをして顔を隠すことで死者に扮した人々の踊る姿は、まるでお盆に帰ってきた霊たちがうれしそうに踊るようでほっとします。生者と死者の領域があいまいに隣り合って暮らしている、それが日本なのだと思っています。

西馬音内の盆踊り(秋田県)

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編み笠や、目の穴を開けたのみで頭からすっぽり被る黒い彦三頭巾(ひこさずきん)で顔を隠す一方で、浴衣には艶やかな衣装を着ます。野性的なお囃子に上方風の優美な踊り。

植柳盆踊り(熊本県)

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黒頭巾で顔を覆い、白い着物に黒の帯を締め白足袋に下駄履きといういでたちで、両手をかざして、ゆっくり動かす振付は、暗闇の中でうごめく「亡者」を連想させます。

そして最近話題の盆踊りといえば、

無音盆踊り(愛知県)

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愛知県の東海市で開催される「無音盆踊り」

東海市大田町で開催される「ザ・おおた・ジャンプフェスティバル」で2009年から実施されている。盆踊りの参加者(踊り手)は、イヤホンの付いた携帯ラジオを持参する。主催者は踊りに必要な楽曲をFM電波で発信し、参加者はその電波にラジオの周波数を合わせ、イヤホンで聴きながら踊る。このため、外部には踊りの楽曲は聞こえず、踊っている人の姿だけが見えることになる。

Wikipedia

イヤホン耳に無音で盆踊り…「不気味」でも「踊りに没頭できる」_サンケイニュース
無音盆踊りとJ・G・バラードの「音響清掃」 FMラジオは共同体の輪をつなぐのか?_Wired

砂をこする草履の音、2つの周期で打たれる手拍子。

とはいえこれ以外まったく無音なわけではなく、けっこう話し声も聞こえます。逆にこのふたつの音以外聴こえないのなら、そこには幽玄な世界が広がりそう。


Silent Bon(無音盆踊り

奇妙に見えるかもしれませんが、もっと静かなリズムだけとか所作も洗練されれば、新しい時代の「亡者踊り」が誕生するような気がします。楽しみですね。

狐の嫁入り

さらに、盆踊りではありませんが、観た人のこころに妙に染みつき、忘れることのできない踊りがあります。

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そう黒沢明監督の「夢」でのワンシーン。リアルに再現されるお伽話の世界は、不思議で恐ろしくて懐かしい古き良き日本のこころ。


「日照り雨」黒沢明


本日の一曲

本日は、曲ならぬ遠く海の向こうの盆踊り風景。

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7月に開催された西本願寺ロサンゼルス別院お盆カーニバル。
これ、いい雰囲気ですね。日本でも流行らないかな。


Obon Nishi, Hongwanji 2016

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