「R」というインターネットラジオ

あまり日本では話題になりませんでしたが、17年に続いていたインターネットラジオ・ポータルサイトの LIVE365 が今年の 1月31日にウェブ放送を終了しました。

またひとつの時代が終わったようです。


Simon & Garfunkel – Overs(1968年)

「Sky.fm」なのに「RadioTunes」?

昨年10月のこと。

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久しぶりにインターネットラジオで何かいい曲を探そうと、Snowtape を開き、お気に入りの局 SKY.fm を録音したのですが、赤色のエラーとなって再生できません。

ひと月後に再び試してみると、今度は再生できるのですが 20分ごとに英語で「RadioTunes」のモバイルアプリを案内するナレーションが入ります。(現在は曲は聴けなく日本語のナレーションが繰り返されるだけ。)

よく見ると、前回の再生不能のときもこのナレーションは入っていたようです。

SKY.fm

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このブログを書き始めた2006年頃、Live365 で見つけた「Internet Oasis(インターネット・オアシス)」という New Age ジャンルに特色のあるインターネットラジオ局を見つけたのが発端。気に入っていたのですがまもなく閉局となり、そのコンテンツは「SKY.fm(スカイエフエム)」に移動しました。

その SKY.fm が最近「Radio Tunes(ラジオチューンズ)」という新しいブランドに替わったのようなのです。

一体何が起きたかと Live365 を調べてみると、今年に入ってインターネットラジオ局を取り巻く環境が大きく変化していたのでした。

インターネットラジオ、事始め_2001年

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iTunes 2.0.2

2001年に登場した iTunes 1.0 には「Radio Tuner」というサービスがありました。

たぶんこの頃インターネットラジオを聴き始めたと思います。(2001年といえばまだ旧 MacOS が全盛で、インターネット接続に ADSL が登場して定額料金で常時接続という利用形態に移行した頃。)

その後、インターネットラジオ・ポータルサイトの老舗 Live365.com でお気に入りのラジオ局を見つけたり、様々なサービスや録音アプリケーションが充実して、『SKY.fm』『Snowtape』『iTunes』が音楽コレクション収集の三点セット、音楽コミュニティ『Last.fm』が定番となっていました。

スノーテープ_SUDAREの部屋

懐かしのハンドシェイク・サウンド

それ以前の1996年 3月にインターネットを始めた頃(つまりインターネット歴も今年でちょうど20年目となったわけです。)は、SONY の28800bps FAXモデムでアクセスポイントにダイヤルして電話回線で接続する「ダイヤルアップ接続」でした。

インターネットに接続するときのあの独特の音は、いかにも今から未知の世界の扉を開こうとするドキドキ感に溢れていました。


Dial Up Modem Handshake Sound – Spectrogram

「インターネットラジオ局が存亡の危機」騒動_2007年

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2007年 5月にアメリカ連邦政府のCRB(Copyright Royalty Board)がインターネットラジオ局に対して新しいライセンス料金が適用することになり、「インターネットラジオ局が存亡の危機」という騒ぎについての記事を書いたことがあります。

結局、2008年の「Webcaster Settlement 」法の成立により、2015年分までについてインターネットラジオ局は米著作権料徴収団体 SoundExchange と著作権料を交渉できるようになり、2009年に「収入に応じて日割り計算の音楽使用料」を含む著作権料に関して合意されました。

その後もストリーミング・サービスは成長を続け、2014年には米著作権使用料の分配額が過去最高となります。つまりインターネットラジオサービスからの著作権料収入が大幅に増え、音楽産業にとって大きな収入源に変化したのです。

Webcasting IV_2015

このように状況の変化のもと、2015年末、CRB はインターネットラジオサービスの2016年以降、2020年までの著作権料(Webcasting IV)を発表しました。

それは大手のパンドラにとっては歓迎できるものでしたが、「収入に応じて日割り計算の音楽使用料」という支払い方法がなくなる小さな局にとっては致命的な大幅値上げだったのです。

LIVE365 の終了_2016年

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現在 LIVE365 にアクセスすると、

Seventeen sweet years ago, it was something of a revolution to let anyone launch their own station. Anyone with something to say or play. Live365 provided the tools. Their talent brought the audience.

We were one of the first. Happy we are not the last.

The spirit of 300+ employees over the years, our hundred thousand webcasters, and their hundred million dedicated listeners lives on.

THANK YOU for being here.

…and many others who have requested anonymity so they don’t get listeners they can no longer afford. ;-(

17年前の誰もが自分のウェブ放送局を持つことのできた夢のようなこと、それはまるで革命のようでした。Live365 は話したいことや聞かせたい曲があった人々にツールを提供し、彼らにリスナーをもたらしました。

我々はインターネットラジオ黎明期のひとつでした。幸せなことに、私たちは最後というわけではありません。

長年にわたる300名以上の従事者、10万のウェブ放送局、億単位のリスナーの精神は生き続けます。

ここにいてくれてありがとう。

…そして、もはや多くのお金に余裕がない匿名の人々がリスナーを得る機会はありません。😞

と表示されるだけ。

LIVE365 は1999年に始まったインターネットラジオ・ポータルサイトの老舗で、ユーザーが独自のインターネットラジオ局を作成したり、世界中の人々によって作成されたキュレーションを聞くことのできたリスニングネットワークでした。

LIVE365 はまた、世界中の小さなラジオ局がネットワーク経由で同時ストリーム放送するのにも利用されていました。

ところが最近、小さな放送局向けの低いライセンス料金設定期間の終了による資金難に陥り、2015年12月後半には従業員の大半を解雇し、その事務所を閉鎖しました。残された何人かの従業員が自宅から作業していましたが、2016年1月31日に17年にも及ぶウェブ放送を終了したのです。

R というマーク

現在、LIVE365 のサイトはいくつかの音楽サービスにリダイレクトするだけなのですが、そのリダイレクト先の最後に「R」というサービスがあります。

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これは「Radio Tunes(ラジオチューンズ)」というインターネットラジオ局です。これこそ、かっての Internet Oasis から数えて3つ目、新生 SKY.fm だったのです。

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ある意味 Live365 が生み育てた、すばらしいキュレーションを持つインターネットラジオ局ともいえます。

「Live365」ありがとう。

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