水木しげる作品と少年時代_1966年

1966年(昭和41年)小学校6年


The Sound of Silence

この頃水木先生の周辺では、

201512_34-2015-12-16-10-29.jpg

17 プロダクション旗揚げ
18 悪魔くん復活

少年マガジン『悪魔くん』連載開始(1966年 1月)

20151219_14-2015-12-16-10-29.jpg

「週刊少年マガジン」に連載された山田真吾の悪魔くん。テレビドラマ版の原作にあたり、ドラマと同時並行して連載されました。

『月刊漫画ガロ』(1966年)

201512_39-2015-12-16-10-29.jpg

1月号
つげ義春『不思議な絵』
水木しげる『カモイ伝』

2月号
つげ義春『沼』
水木しげる『君、富みたもうことなかれ』

3月号
つげ義春『チーコ』

4月号
つげ義春『初茸がり』
水木しげる『なまはげ』

omnigraffle-professional001-2010-08-1-06-17-2015-12-16-10-29.png

この頃の『ガロ』に掲載されたつげ義春作品には 2年後の1968年6月増刊号「つげ義春特集」で出会うことになります。

『ウルトラQ』放送開始(1966年 1月)


SFMV-ウルトラQのテーマ(オリジナルSTREOVer)

マンモスフラワーというタイトルで巨大植物ジュランが登場したときには、すでにガロで水木作品を読んでいましたので、あれ?という感じがしました。

コダマプレス(1966年 5月)

20151219_12_2-2015-12-16-10-29.jpg

初めて買った水木作品集。

近所の小さな本屋の片隅で見つけたとき、探していた世界にやっと出合うことができた思いでした。

水木作品のジャンルは、怪奇、翻案、戦記、歴史など多岐にわたりますが、やはり短編ペーソスものが最高。

生きることの意味について考えさせられたりするものの、深刻にはならない。やはり戦争の時代を生き抜いてきた人のひとつの達観を感じます。

自分の親を含め、周りから実際に戦争を体験した人々がメッキリ減り、実際に戦争に行っていない人々が観念的に反戦を叫んでいます。その主張する言葉に納得できる人生観を感じられないのも水木作品の影響かもしれません。

案外、子供の頃にこの短編物をきっかけとして考え始めて、その後の人生観に影響を受けた人も多いかもしれません。

自分もその一人。
mizuki_6-2015-12-16-10-29.jpg
忍法屁話/河童(忍法秘話版)/安い家/ライバル/群衆の中に

少年マガジン『巨人の星』連載開始(1966年 5月)

雄馬の手から離されたボールがミットに収まるまで一週間かかった、あの伝説の野球漫画の登場。

モノクロ実写TV版『悪魔くん』放送開始(1966年10月


悪魔くん

平山は偶然尋ねた少年マガジン編集部で発売前の少年マガジン版『悪魔くん』を目にし、児童向けの内容となっていたこの作品を原作として企画を進めることとなった。「今じゃ劇場用映画本編だってやれない位もの凄い凝りよう」の作品になった。

Wikipedia

サン・コミックス刊行開始(1966年11月)

20151219_13_2-2015-12-16-10-29.jpg

『忍法屁話』に続くサン・コミックスの『日本奇人伝』 との出会いではっきりしたのが、奥の深い漫画があるということ。そしてその背景にある色々な分野を探り始めたのでした。

『日本奇人伝』 1966年11月
空想石/約束/福の神/ろくでなし/空のサイフ/鳥かご/魔石大いなる幻術/コブ/大人物

続いて刊行された短編集もいずれも名作ぞろいです。
mizuki_4-2015-12-16-10-29.jpg
『猫又』 1966年12月
猫又/トランク/河童を見た、ある少年の物語/神変方丈記/宇宙虫/テレビくん/未来をのぞく男/昭和百四十一年/すりかえられた肉体/となりの人/古道具屋の怪/こどもの国/くさった国/カモイ伝

mizuki_1-2015-12-16-10-29.jpg
『怪奇死人帳』1967年 2月
怪奇死人帳/釣り落とした魚/はかない夢/夢の食糧/なまはげ/足跡の怪仙人酒/砂かけ婆/紙魚/墓守虫/聖なる輪

『死者の招き』1967年 7月
死人つき/一万人目の男/合格/惑星/陸ピラニア/マチコミ/丸い輪の世界/暑い日/木枯し/錬金術/妖精/風の神/海じじい/怪自動車/見せ物小屋/やまたのおろち/死者の招き

『一陣の風』1968年 5月
不死鳥を飼う男/あるフーテンの思想/受験と人生/「幸福」という名の怪物/流れ星/禁断の女/よみのくに/吸血鬼/一陣の風

少年少女世界名作文学シリーズ(1966年)

20151219_59-2015-12-16-10-292.jpg

この年の配本には日本の古典が多く入っていて、初めて古来から伝わる日本の物語の数々に親しむようになりました。

45.日本編-1:古事記/風土記/日本霊異記/竹取物語/今昔物語/宇治拾遺物語/十訓抄/古今著聞集/御伽草紙/平家物語

47.日本編ー3:義経記/西鶴名作集(井原西鶴 原作)/日本芝居物語/徒然草(兼好法師 原作)/方丈記(鴨長明 原作)/しみのすみか(石川雅望 原作)/雨月物語(上田秋成 原作)/東海道中膝栗毛(十返舎一九 原作)
 
 
 
 
 

1966年、それは水木作品との本格的な出逢い。

そして『2001年宇宙の旅』との出逢いまであと 2年。

 
 
 
 
 
1966年→
20151219_10-2015-12-16-10-292.jpg

その後も、どんどん怪奇小説に嵌まっていきました。

『怪奇小説傑作集』 東京創元社(1969年)

20151219_78jl-2015-12-16-10-29.jpg

怪奇幻想小説についての入門書として高く評価され愛され続けてきたこの本は、意外にも水木しげるが翻案している作品も含まれていました。

「幽霊屋敷」
「エドマンド・オーム卿」
「ポインター氏の日録」
「猿の手」
「パンの大神」
「いも虫」
「秘書奇譚」
「炎天」
「緑茶」

岡本綺堂

20151219_76-2015-12-16-10-29.jpg

それから10年後の1978年に、『中国怪奇小説集(岡本綺堂)』 を手に取りました。これは、中国の怪奇物語を無類に好んだ岡本綺堂が、六朝・唐・ 五代・宋・金・元・明・清の膨大な小説筆記の類から二百二十種の怪奇ばなし選んで、みずから訳したもの。

岡本綺堂は明治・大正から昭和初期に活躍した小説家、劇作家です。

1872年、旧御家人を父として東京に生まれる。東京府中学校卒業後、東京日日新聞に入社。記者の傍ら戯曲を書き、『修禅寺物語』『番長皿屋敷』等の名作を発表。定評ある江戸風俗の確かな知識は、人気を博した捕物帳の嚆矢「半七捕物帳」シリーズ、『三浦老人昔話』等の小説に遺憾なくいかされている。

Wikipedia

20151219_75-2015-12-16-10-29.jpg

とくに「半七捕物帳」が最高の時代小説なのを知ったのもこの頃。

このあたりから読書傾向は時代を遡り始めます。

中国怪異譚

中国においては六朝時代の『捜神記』などの志怪小説、唐代の『遊仙窟』など多数書かれた伝奇小説といった伝統があり、元・明代には『西遊記』が成立し、清代には『聊斎志異』が書かれた。日本においては仏教説話集『日本霊異記』、古代説話を集めた『今昔物語集』などから、江戸時代には上田秋成『雨月物語』や曲亭馬琴『南総里見八犬伝』など怪奇的、伝奇的作品が書かれ、それらのイメージは歌舞伎や浄瑠璃を通じて広まった。明治時代にも泉鏡花、岡本綺堂などの伝統に基づいた幻想的な作品が書かれ、三遊亭圓朝の話芸も文学的評価は高い。

Wikipedia

エログロナンセンス

20151219_77-2015-12-16-10-29.jpg

大正末から昭和初期にかけて、雑誌『新青年』などでは江戸川乱歩や夢野久作などの怪奇幻想趣味、あるいはエログロナンセンスと呼ばれる作風が一世を風靡し、また日夏耿之介は「神秘文学」「恠異派文学」として東西古今の怪奇・幻想作品の紹介を行った。国枝史郎などによって伝奇小説というジャンルも生まれる。

Wikipedia

オカルト映画ブーム(70年代)


Mike Oldfield – Tubular Bells

201512_42-2015-12-16-10-29.jpg

同時にビジュアルな方向もありました。

『ローズマリーの赤ちゃん』(1969)に端を発して『エクソシスト』(1974)は最高に盛り上がりました。その後の『オーメン』(1976)など70年代はオカルト映画ブームでした。

オカルトとは「未知の存在への恐怖」、ホラーは「命に関わる恐怖」

オカルト映画はこれらをうまくミックスして恐怖を誘っていました。でもオカルトが必ずしもホラーであるわけではありませんので、ちょっと違和感も。

精神世界ブーム(80年代)

1980年前後には精神世界ブームがはじまり、各書店に「精神世界の本」といったコーナーが設けられるようになりました。

精神世界マップと現代思想のキーワード

201512_43-2015-12-16-10-29.jpg20151219_78-2015-12-16-10-29.jpg

そんなブームの初期の1980年に発刊されたのが、「精神世界を旅するひとのためのガイドブック」と銘打たれた別冊宝島の『精神世界マップ』と続く『現代思想のキーワード』。

別冊宝島16 精神世界マップ
1980年2月15日発行16号

精神療法
悟りの心理学
幻視宇宙学
肉体と魂の瞑想療法
神秘学(ヨーロッパ・アメリカ編)
環境デザイン学
ニューエイジ・アカデミズム
伝統をつぐ賢者たち
神秘学(アジア編)

別冊宝島18 現代思想のキーワード
1980年6月25日発行18号

野性の思考
中心と周縁/トリックスター/両義性/構造と機能/贈与/未開と野性 照葉樹林文化/まれびと/母性我/セクシュアリティ/無縁・アジール

状況へのまなざし
四つの近代化/第三世界革命/低開発の発展/イスラム・パワー/社会主義間戦争 多国籍企業/金/トライラテラル/ゲオポリティック/収容所列島/現代のテロリズム 意識産業/自主管理/参加/連合/消費者主義/中流/母原病/老い

エコロジーとエコノミー
非市場経済/自由貿易帝国主義/産業社会/地域主義/消費の神話/脱学校化・脱病院化 創造的失業/居酒屋社会/脱工業社会 地球村からの発想 環境世界/ホメオスタシス/地球/エントロピー/原子力帝国/エネルギー・コスト分析 オルタナティヴ・テクノロジー/ソフト・エネルギー・パス/ふれあい/村 エコロジー運動

ポップ・センス
アール・ポップとイエロー・センス/パンク/ヒーロー/火星的共産主義

東洋への帰還
気/タオ/太極/経絡/アートマンとブラフマン/マンダラ

神秘の知
水がめ座/至高体験/霊・魂・体/根源人種/客観意識/宇宙氷

無意識の闇から
快感原則と現実原則/神経症的動物/狂気/錬金術とUFO/オルゴン・エネルギー

科学のフロンティア
宇宙論/第五氷河期/プレート・テクトニクス/サイバネティクス/エソロジー 人猿と賢人/棲み分け/分子生物学/カタストロフィー

言語の方程式
シニフィエとシニフィアン/エクリチュール/メタ言語/普遍文法と個別文法

転換期の思想誌
共通感覚/生活世界/ヨーロッパ諸科学の危機/啓蒙の弁証法/一次元的人間/パラダイム グラマトロジー/シンボル/テマティスム/エロティシズム/遊戯共同体 アルケオロジー/監獄/四人のエース/事的世界観/対幻想と共同幻想

タイトルを眺めても分かるように、この二冊はいままで自分の知らなかった「世界隠れた知の系譜あるいは全宇宙的陰謀の系譜」の様々な分野を知る航海のための羅針盤となりました。

この二冊によって、知識あるいはエンターテイメントとして精神世界を眺めていましたので、深みに嵌まらなくて良かったのかもしれません。

その後、日本では「精神世界」「ニューエイジ」ブームが盛り上がりますが、ピークで起きたオウム真理教事件で低迷します。

その後、2005年にTV番組「オーラの泉」で「スピリチュアル」と看板を変えて再びお茶の間に再登場することとなります。

NEXT → 水木しげる作品と少年時代_1967年以降

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中