寅さん iTunes Store に現る。

新春早々、ついに寅さんが iTunes Store にやってきました。

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クリックすると拡大します。

全49作品。しかも日本映画にやたら多い「レンタルのみ」ではなく、購入もできます。最近の日本映画には5回以上繰り返して観たいと思う作品はあまりないので問題はないのですが、コレクションしたい古い名作の「レンタルのみ」には残念に思うことがあります。

毎週寅さん

2011年から2012年、WOWOWが「金曜寅さん」と題して49作をハイビジョン放送。2013年から2014年にかけてBSジャパンが「土曜は寅さん」として放送し、2015年1月から再び放送を開始しています。

つまり、ここ数年間、毎週「寅さん」が登場しているわけです。

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実は『男はつらいよ』を映画館で一度も見たことがありません。

理由は、その前身の TVドラマである『泣いてたまるか』の印象が強く、『男はつらいよ』がその亜流のような気がずっとしていたからです。

スピンアウト

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『泣いてたまるか』

『泣いてたまるか』は1966年から1968年まで放映されたTVドラマ。こちらも、2015年 1月から BS TwellV にてHDリマスター版で放送開始されています。

天(そら)が泣いたら 雨になる
山が泣くときゃ 水が出る
俺が泣いても 何にも出ない
意地が涙を
泣いて 泣いてたまるかヨ
通せんぼ

海は涙の 貯金箱
川は涙の 通り道
栓をしたとて 誰かがこぼす
愚痴とため息
泣いて 泣いてたまるかヨ
骨にしむ

上を向いたら きりがない
下を向いたら あとがない
さじを投げるは まだまだ早い
五分の魂
泣いて 泣いてたまるかヨ
夢がある


『泣いてたまるか』主題歌 渥美清

このテーマ曲がお気に入りで、ときどきひとりで呟くように歌っていました。

渥美清演じる大人たちの喜怒哀楽の世界を垣間見て、子供ながら「大人の世界って苦労が多そう。でも苦あれば楽あり。がんばるのが人生なのかな。」と妙に感動しながら見ていた覚えがあります。

ところが、ある日突然、主役が青島幸男に変わった時にはびっくりしました。あまりにも渥美清との演技力の差が大きく、新番組に変わったのかと勘違いして番組欄を見直したほどです。

実際には隔週交代で出演のようでしたので、渥美清が主役のときだけ見るようにしていました。子供ながら本物と偽物を見分けていたのでしょう。そういえば、かって第二院クラブに所属した他のタレント達にも同じような「におい」を感じて好きになれませんでした。

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そんな人も多かったのか、10年前にデアゴスティーニ・ジャパンから発売されたDVDシリーズのタイトルは、『渥美清の泣いてたまるか』とわざわざ主役名を冠しています。

アニメとソノシート

『事件記者』『ザ・ガードマン』などの大人向きドラマが夜の 9時過ぎから始まることが多かったのですが、この『泣いてたまるか』は 8時スタート。日曜の夕方19:30から始まる『オバケのQ太郎』『パーマン』などのアニメの続きで見ていました。

そして当時のアニメとセットなのは「ソノシート」。

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ぺらぺらでよく曲がるソノシートでしたが、ほとんどのアニメ主題歌や物語のダイジェストを収録したソノシート本にはお世話になりました。現在はコレクターズアイテムとなっていて、例えば朝日ソノラマ N5 赤影(完品) は15万円(まんだらけ)という価格で販売されています。

ですから『永久保存盤 ソノシート誕生40周年記念 朝日ソノラマ大全集』は当時のアニメ主題歌を上手く集めたものになっています。

その後、ソノシートは、2005年日本国内では生産を終了しましたが、米国カリフォルニア州のプレス業者が2010年に製造を開始しているそうです。

『オバケのQ太郎』『パーマン』の主題歌のみならず、なんと『狼少年ケン』『少年忍者風のフジ丸』も収録。ただ、なぜか『スーパージェッター』がありません。


『スーパージェッター』主題歌フルバージョン 1965~1966

当時『泣いてたまるか』とこんなアニメを同時に見ていたのですね。

『男はつらいよ』

『泣いてたまるか』に続いてTVドラマ版『男はつらいよ』が1968年から1969年まで放映されました。

『男はつらいよ』のテレビ版はヒットしたが、最終回で寅次郎がハブを取りに行こうとして、逆にハブに噛まれ、毒が回り死んだという結末に視聴者から多数の抗議が殺到して、映画化につながった。

Wikipedia

そして1969年 8月『男はつらいよ』劇場版第1作公開。

つまり、『男はつらいよ』は『泣いてたまるか』のスピンアウト作品ということ。そして本編の『泣いてたまるか』方が身近な世界で印象が深かったということ。

『男はつらいよ』の東京下町とされる世界は想像できなくて『泣いてたまるか』ほどの共感を感じることはありませんでした。(ほんとうに、この映画にすべての日本人が共感していたのでしょうか。)

魚の目に水見えず人の目に空見えず

過ぎ去ってみて初めてわかるのが人生というもの。

いま、再び『男はつらいよ』全49作品を見てみると、目を引くのは物語の背景を彩るロケの風景。そこには昭和の後半30年間の貴重な映像が記録されています。

ファッションや髪型、家具や建物、当時の観光地の様子、祭りに集う人々。その変遷についつい目を奪われ、繰り返し見てしまいます。

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昨年行った北向観音参道沿いの川の写真。左手の白い看板を掲げている店が第18作『寅次郎純情詩集』の寅さんの宿だったみたい。

寅さんが歩いた風景

『鬼平犯科帳』

『男はつらいよ』と同様、最近繰り返し放送されているものとして、中村吉右衛門主演の『鬼平犯科帳』があります。こちらもデアゴスティーニ・ジャパンから発売された解説書付DVDのタイトルになっています。

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吉右衛門主演の鬼平犯科帳において印象深いものの1つに、「日本の四季折々に彩られた」中で営まれる『人々の生活の風景』をちりばめたエンディングがある。ジプシー・キングス『インスピレイション』をテーマ音楽に用い、春(桜)、夏(花火)、秋(紅葉)、冬(雪)といった日本の四季に代表されるシーンに加え、菖蒲や紫陽花等といった季節相応の花を主体とした風景、梅雨時期に見られるにわか雨模様や夏の風鈴売りや冬のそば屋台等に見られる人々の生きる営みを映像化するなど、町人文化の彩りを活き活きと表現している。

Wikipedia

時代小説についてはここ数年凝っていますので、改めて書き始めるつもりです。読み進めるうちに時代小説はその作者の生まれ育った時代を反映していることが多いような気がしています。

作者が明治時代前半の生まれなら本物の幕末が漂い、大正、戦前、戦後、それぞれ趣が違っています。同様に昭和生まれならやはり江戸市中の風景や人情の表現にも昭和が香ります。

1980年代の「江戸ブーム」により江戸時代の評価が良い方に変化する流れのなか、中村吉右衛門主演の『鬼平犯科帳』は平成に入ってからの制作が大半ですが、その制作者達の昭和の雰囲気が色濃く残り、その懐かしさと江戸時代への憧憬がちょうどいい具合に混じり合い、20年以上続く長寿番組となっているのでしょう。

最近、古地図を見ながら街歩きをするのがブームとなっています。ただ平成も20年代になって街は大きく変わり、江戸時代を引きずる東京が無くなった関東大震災以降でも、なんとなく面影が残っていた風景が跡形もなく消えてしまってるのに驚くばかりです。

平成という時代に生まれ育つ未来の作者たちの綴る江戸はどのような風景になっているのでしょうか。

今日の一曲

やはりこの曲ですよね。

鬼平犯科帳エンディング

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