OSX と iOS の新しい関係に期待して、あと10日。

10月に入り、OSX 10.9 対応のアップデートするアプリケーションが増えてそろそろリリースかなと思っていました。 …


そこに10月22日にAppleが招待のみのプレスイベントを開催、iPad、Mac Pro、OS X Mavericksの発表が行われるというニュース。iOS 7のリリースに較べてメディアの扱いも小さく寂しい限りですが、PC進化の王道はこちらにありますので楽しみにしている方も多いかと。

OSX 10.8 と iOS

OSX 10.8 では「カレンダー」や「連絡先」「メモ」などが iOS ライクに変更されて名称やデザインに嫌な思いをしています。

「アイカル」「アドレスブック」というネーミングのほうがずっと発音し易くシャレていたのに「カレンダー」「連絡先」だなんて。これは日本のアップル社の日本語センスの問題。まるでコピー&貼付けの某OS と発想のレベルは変わりません。

奇妙に写実的でアナログの道具を真似たようなデザインをスキューモーフィズム(skeuomorphism)というのですが、カレンダーのめくりカスまで再現した醜悪なデザインは、さっさと「Mountain Tweaks」というアプリケーションで従来のプレーンなスタイルにしてしまいました。

同時に奇妙なデザインでインターフェースもこなれていない iOS 仕様を Mac に持ち込んで Apple はもう終わりかと心配になり始めました。

スキューモーフィズムがアイブはじめアップル社内で力のある幹部が好んでいなかったのになぜ頻繁に使われていたのかといえば、理由はジョブズその人がこのスタイルを好んでいたためだそうです。Game Center の背景が木とフェルトのカジノテーブルになっているとか iCal のタイトルにある革の縫い目は、ジョブズのプライベートジェットの内装そのままなど。

スキューモーフィズムは適所で使用すれば効果的な場合もあります。ただ、ガラスやプラスチックや金属などの無機質な素材と違い木目や布地・皮には潜在的に好みがあって、好きでない場合は単なる柄といえども感覚的に拒絶してしまうことがあるようです。

OSX 10.8 の場合まさしくこの点が問題でした。日常頻繁に使うアプリケーションで好きでない素材を毎回目にするのは苦痛でしかありません。

他に OSX 10.8 でマウスの上下方向のデフォルト設定が iOS と同様に逆に変更されたことについては、あまり違和感はありませんでした。これはどうも慣れの問題だけのような気がします。

醜悪なスタイルを iOS に持ち込み、OSX 本体に再上陸させた張本人の iOS 責任者スコット・フォーストールはジョブズ氏の死後 iPhone 5 の地図謝罪騒動が引き金となり退社させられます。これは吉報でした。

iOS 7

iOS 7がリリースされてすでに 20日ほどが経ちました。

残念ながらジョナサン・アイブ自身の講演ではなく日本人の評論家による講演というところがいまいちなのですが、『スティーブ・ジョブズが iPhone/iPad のインターフェースデザインに込めた想いとその限界』というテーマが早稲田大学の講演会に選ばれるなど、インターフェースデザインやらユーザーエクスペリエンスという言葉が巷にあふれ返っています。

インターフェースデザインやらユーザーエクスペリエンスというのはごく少数の本当のプロの仕事。

にわか評論家たちの活躍する領域ではないのですが、自分たちも実際に使用していることもあり利用者代表として語りたいのでしょう。その結果 iOS 7がリリース前に溢れ返ったのが「フラットデザイン」という言葉。そして Apple の定義する「フラットデザイン」の思想を言い当て、どのように表現されるか予想したものは皆無でした。

そこで実際にインストールして 20日ほど使用した新しいUIの感想を少々。

電源のON・OFFに始まる「パッ」から「ジワッ」の表示動作。この余韻が何とも言えません。いままでの安っぽい蛍光灯から味わいのある白熱灯に感触が変わりました。これぞヒューマンインターフェースの初歩。やっと Mac らしさが戻ってきました。

あるメディアは、これまでの iOS が45歳の初心者向けに作られたものなら、iOS 7 は10代20代向けにデザインされているように見えると評していましたが、これは逆で、子供のおもちゃから Macライクな大人が使えるエレガントなデザインにやっと戻ってきた感がします。

例えば、「周囲の環境に敏感」と呼ばれるユーザーインターフェース。

・加速度計を利用してスクリーンに視差効果。
・デバイス内蔵の露出計で、新しいアイコンや背景の光量が自動調整。
・コントロールパネルの文字と線の色が、自分のホームスクリーンの画像に合わせて変化。

これらはパッとした変化を感じさせる新機能ではありません。いずれ馴染んでしまってそれらの機能が裏で働いていることなど忘れてしまいそうなものばかりです。しかしここが Mac の随所で見られる Apple製品を他社がけっして真似できないところなのです。特許裁判所の裁判官はここを見抜くことのできない方々ばかり。それが初めて iOS にも波及したのは楽しく思います。

これらの機能はガジェット好きなキッズにはつまらない印象を与えたと思います。同じくセンサーを利用するのならもっと単純で分かり易く、目先の驚きで友人に自慢できるような効果がよかったかもしれません。でもジョナサン・アイブはやらないでしょう。

例えば、単純な「フラットデザイン」。

マイクロソフトの社内や開発向けへのスローガンは ” Authentically Digital “(真にデジタル)。影や奥行きはあくまで視覚的な手がかりとして使いつつ、デジタルなのだから意味もなく紙ノートや木の質感を真似しない、ミニマルなデザインをうたっています。

対するジョナサン・アイブは、

デザインとは、何かを見せるためだけの手段ではありません。それは全て、とても多くの異なるレベルで実際に動くものです。最終的には、もちろん、デザインは私たちの経験を定義づけるものです。深遠で永続的な美しさはシンプルさと明快さと効率性の中にあると思います。そしてそれらは複雑さの中に秩序をもたらします。

秩序とはいつもシンプルさの中にあるわけではない、複雑な中に存在するのです。

「視覚生態系」はかなり複雑になりました。これは進化した新しい時代のメタファ表現かもしれません。全体としての動的メタファの誕生です。ですから結果としてひとつひとつのアイコンはシンプルにならざる得ません。これには唸ってしまいました。

奥が深い。

iOS ヒューマンインターフェイス ガイドライン

例えば、OS X にも標準で搭載されているフォント「Helvetica Neue」への変更。

1983年、Linotype社はデジタル時代に適したタイポグラフィとして改訂版となる「Neue Helvetica」を発表しました。その派生型の Ultra Light は、そんなコンピューターの幕開け時代のクラシックタイプフェイスのうちのひとつです。

Linotype_Helvetica Neue

 iPhone 4で初めて採用された Retinaディスプレイで繊細なフォントを表現できるようになり、そこにエレガントで整然とした美しさを表現できる「Helvetica Neue」に採用することによりさらに完成された表現力を持たせることができました。これもディスクトップの美しさでは他の追従を許さない Mac ならではの環境が iOS に波及したともいえます。

このようなOS X的 iOS の進化は大歓迎です。そしてハードウエア等を含む進化の成果が OS X へうまくフィードバックされれば、これ以上なことはありません。

ただ残念なこともあります。

それは正式にリリースされた iOS 7の正式版には、パノラマ壁紙機能が搭載されなかったこと。

これからはパノラマによる新しい写真観賞の時代が来るとかなり期待していました。デスクトップでもアイセンサーを搭載すれば首を動かすことでディスクトップ・ピクチャーを動かして本当のパノラマビューができようになると夢を膨らませていたところでした。再度挑戦して欲しいところです。

あと、「カレンダー」や「ミュージック」の赤。

安っぽさで目立ちすぎますのでこれは再考の余地があります。ジョナサン・アイブ出身地であるイギリスのエリザベス女王の好きな赤なんかはいかがなものでしょうか。それが何系の赤かわかりませんが今よりはいいと思います。

OSX 10.9

こちらもインストールしてしばらく使わないと何とも言えませんが、このバージョンアップの対応には料金が発生するアプリケーションがアナウンスされるようになりました。たとえばや『パラレルス』や『宛名職人』。App Store 経由のアプリケーションはどのように対処するのでしょうか。

また長いフィックス確認作業が始まりそうで、うれしさ半分煩わしさ半分の気分です。


Tips and tricks in Mavericks

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