最近のCMについて 2

震災かから3カ月が過ぎ、CM について多少冷静な評価が行われつつあるようです。 …

視聴者の目は震災前より厳しく、被災者を応援しようとしたメッセージCMに対しても「不謹慎」「震災を企業イメージの向上に利用している」といった批判が向けられがちだそうです。

どんなに綺麗ごとを並べても資本経済下の企業の目的は利潤追求です。CM を批判するのはお門違いとは思いますが、予告無しで公衆に公開される節度のない CM にはやはり批判も必要かもしれません。

エステーのCM

最近共感を得ているとしてメディアで紹介されている CM 。

いいなCM エステー 消臭力 唄う男の子 ~ミゲル~

実はこのCMは、制作スタッフが「被災地にいる人の心にどれだけ寄り添えるか」を徹底議論した渾身(こんしん)の作だ。  ロケ地は1755年に大震災と津波で6万人以上の死者を出し、復興を遂げた街、リスボン。その地で「命と未来の象徴的存在」(同社)である子供に、被災地への応援歌を歌わせた。  鹿毛康司宣伝部長は「エステーらしさを保ちながら、傷ついた人を少しでも笑顔にするんだということをミッションのように思っていた」と企画当時を振り返る。「何をやっても偽善に見えると思う」とも認めるが、被災者からは「これまで『頑張ろうCM』に悩まされてきたが、笑顔になれた。うれしかった」との声も届いたという。

ということですが、この CM 、250年以上昔のリスボンの歴史を知らなければ意味がわかりません。

本当の才能

それが渾身の作とすれば CM 制作スタッフのレベルも知れています。それよりもまだこちらの方が印象的です。先の CM にこの音を被せればもっとすばらしいものになったでしょう。在野にはまだまだ才能のある人々がいて安心します。

消臭力のCMを逆再生したら神秘的になりました。【戦闘力53万】

今こそハングリー

日清食品も漫画家の井上雄彦氏が、巨大紙に宮本武蔵を描くカップヌードルのCMを放送。視聴者からは「勇気がわいてきた」との反響が寄せられたそうです。

でもなぜ宮本武蔵なのか。当時日本の人口の80%は農民で、宮本武蔵は雲上の人。身分制度も固定化しつつある時代の英雄です。当時の農民の末裔が大多数の日本で共感を持つとすればそれは錯覚。

それよりも蝦夷(えみし)の血を引く東北の人々の忍耐力に勝るものはないのでしょうか。

日清食品には過去にもっと良い CM がありました。大震災に負けない日本人の根性はこの CM に集約されています。
Nissin Cup-O-Noodle Uintatherium

ACのCM

AC の専務理事が、「こうあるべきだ、こうしてください、と言い切ったことへの反作用があった。」「公共広告は本来、社会問題について一緒に考えてみませんか、という控えめなスタンスで、大量放送も想定していなかった。発信するメッセージの質が違っていた。」と当時を振り返っているそうです。

あたりまえのことに今ごろ気が付いているようです。控えめのスタンスのはずが、震災後ほとんどのスポンサーが自社 CM を自粛して公共広告に差し替えられ、最も多かった15日には CM 総放送回数の80%超を占めたそうです。良識のある者なら大量に繰り返される CM の持つ危険性に気が付き、 勇気を持って CM 自体の放送の中止を行ったことでしょう。その点 BS11 だけは英断を下していました。

こうした震災後の消費者心理について、CM総合研究所の関戸晶子専任研究員は「優しく寄り添ってくれたり、ユーモアで笑わせてくれるような CM に好感を持つようになっている」と指摘しています。

ということで、今一番しっくりする CM は、

セブンイレブンCM 2010(「近くて便利」とは編)

ただコンビニで買った食べ物で美味しいと思ったことは一度もありませんが、とりあえず便利と思ったことは何度もあります。

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