東日本大震災

それは、会社で取引先と打ち合わせ中に揺れ始めたことから始まりました。 …

NOAA/PMEL/Center for Tsunami Research

ドカン、カタカタという縦揺れがないので、離れたところで地震が起きているようだといったことを話しながら打ち合わせを進めていました。ところが普通ならすぐ終わるはずの揺れが終わりません。次第に阪神大震災のときのような長い時間の横揺れを感じて、これは「大地震」と直感しました。

「どこよりも早い地震速報」と自慢していた「ウェザーニューズ」には情報が表示されず、NHKのサイトニュースでやっと情報を掴むことができました。

このような場合、やはり新聞系よりTV系のサイトの方が、民間より公共のほうが情報が早いのを実感しました。

震災の名称

それにしても震災名も新聞社やTV各局バラバラ。「東北地方太平洋沖地震」「東北関東大地震」「東日本巨大地震」「東北関東大震災」「東日本大震災」「東北大震災」。何を考えていることやら。

正式な名称は東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)

追記

その後の政府の正式発表で収束します。しかし、気象庁に比べ政府の対応はずいぶんのんびりとした動きでした。

地震が発生した3月11日、気象庁はこの地震を「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」と命名した。

震災の名称 日本政府は2011年4月1日の持ち回り閣議でこの地震による震災の名称を「東日本大震災」とすることを了解した。大規模な被害を出した地震の場合、関東地震に対する関東大震災、兵庫県南部地震に対する阪神・淡路大震災のように、地震そのものと震災の名称が異なる。この震災についても名称が統一される前はマスコミなど各組織がいくつかの名称を用いていた。

政府の閣議了解前に使用されていた主な震災の名称として

「東北関東大震災」 – NHK、日本赤十字社、中央共同募金会。
「東日本大震災」 – 朝日新聞、時事通信社、ウェザーニューズ、共同通信社、共同通信加盟社(産経新聞、東京新聞、中日新聞、毎日新聞(3月12日午後から)、日本経済新聞(3月19日朝刊から))、フジテレビ、TBS、テレビ朝日、日本テレビ(3月25日から)、TOKYO FM、BS11デジタル。
「3.11大震災」 – 河北新報(東日本大震災と併用で3月14日から)。

などがある。

地方公共団体では、上記のいずれかを用いていた。茨城県北茨城市では一時、「東北・関東大震災」の表記を使用していた。

大震災とは別に大地震や巨大地震も震災を指す表記として使われていた。

「東北沖大地震」 – 毎日新聞が地震当日から3月14日まで使用。
「東北・関東大地震」 – 共同通信社と毎日新聞、東京新聞、中日新聞など加盟社が地震当日の3月11日(翌12日朝に配達された朝刊やWeb公開された記事を含む)に使用。
「東日本大地震」 – 日本テレビが地震当日から3月24日まで使用。TOKYO FM、BS11デジタルも使用。
「東日本巨大地震」 – 読売新聞。 などがある。

東北地方太平洋沖地震_Wikipedia

千年に一度

貞観地震

今回の「千年に一度」の大地震(大津波)といわれています。百年というのが人間の一生の単位とすれば、千年は人間の歴史の単位です。つまり、歴史的大津波を目の当たりにしていることになります。

この海域では平安時代(869年)にもM8を超す大地震が発生、「貞観津波」と呼ばれる大津波が起き、千人を超す死者が出たと古文書に記録がある。東北地方南部では5世紀や紀元前にも巨大津波があったとされ、450~800年間隔で繰り返されているとみられる。

室町時代、宮城・茨城に巨大津波か 数百年おきに発生?

この貞観(じょうがん)は平安時代の元号の一つで、平安時代といえば今の日本人の感覚からすれば、千年前のできごととという感覚になります。

富士山

その貞観年間の記録には他にも自然の脅威が記されています。

貞観 3年(861年)4月7日、直方隕石が落下。落下の目撃がある世界最古の隕石
貞観 6年(864年)富士山噴火
貞観11年(869年)貞観地震とそれに伴う貞観津波が発生

「富士山噴火」が貞観地震の 5年前に起きているのです。

11日の『東北関東大震災』から4日後にはこのような地震発生記録がなされています。

静岡県東部で震度6強を観測した15日夜の地震は、11日の東日本大震災をもたらした巨大地震で誘発された可能性が大きい。震源付近では巨大地震の直後から箱根で群発地震が起きており、富士山の火山活動の活発化を懸念する声も出始めた。海溝型の巨大地震が発生すると、地殻にかかる力が変化し、内陸直下型の地震が起きることがある。

津波で約2万2千人が死亡した明治29年の三陸沖地震(M8.2)では、約2カ月後に秋田県で陸羽地震(M7.2)が起きた。

海溝型の巨大地震が発生すると、地殻にかかる力が変化し、内陸直下型の地震が起きることがある。津波で約2万2千人が死亡した明治29年の三陸沖地震(M8.2)では、約2カ月後に秋田県で陸羽地震(M7.2)が起きた。

富士山の直下では約10年前、マグマ活動との関連が指摘されている低周波地震が頻発した。その後、静穏化したが、今回の伊豆地方の地震の震源の深さ約14キロは、この低周波地震の震源に近いという。

静岡の震度6強は誘発か 富士山噴火の懸念も… 暴れる巨大エネルギー
ということで、今回の『東北地方太平洋沖地震』では3ヶ月ぐらいは要注意です。

地震の年表富士山火山防災協議会_富士山ハザードマップ

方丈記

また元暦二年のころ、おほなゐふること侍りき。そのさまよのつねならず。

山くづれて川を埋み、海かたぶきて陸をひたせり。土さけて水わきあがり、いはほわれて谷にまろび入り、なぎさこぐふねは浪にたゞよひ、道ゆく駒は足のたちどをまどはせり。

いはむや都のほとりには、在々所々堂舍廟塔、一つとして全からず。或はくづれ、或はたふれた(ぬイ)る間、塵灰立ちあがりて盛なる煙のごとし。地のふるひ家のやぶるゝ音、いかづちにことならず。家の中に居れば忽にうちひしげなむとす。はしり出づればまた地われさく。

羽なければ空へもあがるべからず。龍ならねば雲にのぼらむこと難し。おそれの中におそるべかりけるは、たゞ地震なりけるとぞ覺え侍りし。

その中に、あるものゝふのひとり子の、六つ七つばかりに侍りしが、ついぢのおほひの下に小家をつくり、はかなげなるあとなしごとをして遊び侍りしが、俄にくづれうめられて、あとかたなくひらにうちひさがれて、二つの目など一寸ばかりうち出されたるを、父母かゝへて、聲もをしまずかなしみあひて侍りしこそあはれにかなしく見はべりしか。子のかなしみにはたけきものも耻を忘れけりと覺えて、いとほしくことわりかなとぞ見はべりし。

かくおびたゞしくふることはしばしにて止みにしかども、そのなごりしばしば絶えず。よのつねにおどろくほどの地震、二三十度ふらぬ日はなし。十日廿日過ぎにしかば、やうやうまどほになりて、或は四五度、二三度、もしは一日まぜ、二三日に一度など、大かたそのなごり、三月ばかりや侍りけむ。

四大種の中に、水火風はつねに害をなせど、大地に至りては殊なる變をなさず。

むかし齊衡のころかとよ。おほなゐふりて、東大寺の佛のみぐし落ちなどして、いみじきことゞも侍りけれど、猶このたびにはしかずとぞ。

すなはち人皆あぢきなきことを述べて、いさゝか心のにごりもうすらぐと見えしほどに、月日かさなり年越えしかば、後は言の葉にかけて、いひ出づる人だになし。

方丈記(青空文庫)

だれもかれもがこの世の無常とこの世の生活の無意味さを語り、いささか欲望や邪念の心の濁りも薄らいだように思われたが、月日が重なり、何年か過ぎた後は、そんなことを言葉にする人もいなくなった。

平安時代まで記録を遡る今回の大地震。その末期には鴨長明の『方丈記』に 1185年8月13日 文治京都地震(M 7.4)の記述があります。

『方丈記』の地震を確認
最大マグニチュード7.8の地震が想定される琵琶湖西岸断層帯で、平家全盛時代の約800年前に起きた地震が、『方丈記』に記された元暦2年(1185年)7月9日の多数の死者が出た元暦大地震であるという調査結果がまとめられた。文献の地震を実際に裏付けたのは初めてという。
日経(2007年3月25日)

元年説

この地震については「文治京都地震」「元暦地震」とふたつの元号名称が使用され、日付も違っています。日付は、西暦と和暦の日付の違いでしょう。元号の違いについては、京都大地震の発生年が殆ど和暦元年に当るという元年説があるのですが、これは大地震など大きな厄災が発生すると、朝廷は穢(けが)れを嫌ってすぐ元号を変えたためだそうです。そして問題の 1185年は 2度改元されています。それは寿永3年 3月に平家が壇ノ浦で全滅した後、4月16日に元暦に改元され、続いて 7月に京都大地震が起こった後、8月14日に文治に改元されています。
畿内見聞録 「畿内大地震元号説」

この鴨長明の文章は意外と冷静に状況を描写しています。同時に人間の持つ業をも描き出し、その無常観を展開しています。

しかし問題はそれをどのように超えていくかということなのですが、これがなかなか難しいのです。

緊急地震速報

揺れ多発に「混乱」気象庁の緊急地震速報

東日本大震災以降、広範囲で余震が多発し、長野、静岡両県では震度6強の地震もあった。緊急地震速報の発表回数も急増。一定の成果を発揮する一方、強い揺れの恐れがない地域にも発表するなど不適切さも目立つ。ほぼ同時に発生する複数の地震を一つの地震とみなし、予想震度が過大だったり震源の位置が大きく外れたりすることが原因。
気象庁は「改善を検討しているが、すぐには難しい。外れることもあるが、速報が出たら2分程度は身の安全確保を」と話している。
大震災以降の緊急地震速報は17日夜までに31回に達し、運用が始まった2007年10月から大震災前の17回のほぼ2倍に達した。うち、内容が不適切だったのは少なくとも13回という。

ところが、11日の東日本震災後から20日までに速報は36回出たが、実際に震度5弱以上の揺れがあったのは11回で、的中の確率は約30%となっている。システムが同時に複数の地震を想定していないことが原因で、地震の規模や発生場所を誤って計算して速報が出ることがあるという。すぐに改良する予定は無く、地震後の余震がおさまるまで誤報は続く見込みだ。

緊急地震速報、的中3割に低下「誤報と思わず身構えて」朝日新聞 2011/03/21

TV を観ていると時折「緊急地震速報」のテロップが入るのですが、気象庁は測定計器の故障防止策の失敗と判定プログラミングの未熟で地震警報の誤報を何度も流し、現在の地震警報は約30%の確率です。

残念ながら半信半疑のレベルですが、万が一のために行動しています。

メルトダウン
福島第一原子力発電所_New York Times のその前とその後の衛星写真をインタラクティブな比較ページ

原子力発電所などにおいて原子炉が耐熱限界を上回る高熱により融解、破損することである。想定されている事故の中でも最悪の事態で、原子炉設計時に設定された安全基準では炉心の健全性を保つことができず、原子炉の破壊を伴う事故である。

Wikipedia

その後「大津波」「橋りょう落下」「コンビナート火災」「大停電」「帰宅困難」などさまざまなことが同時に起こったなかで一番気になったのは、福島第一原子力発電所の状況でした。

ほとんどの民放がわれ先にヘリを飛ばして大津波の報道合戦を繰り広げているなか、NHKBSで伝えられる福島第一原子力発電所の状況をずっとみていました。

一号機が爆発で骨組みだけになったのを一番早く報道したのもこのチャンネルで、政府発表はそれから2時間も経ってからです。民間は震災は終わったものとして惨状を刻々と伝えていたのですが、現在進行中の大震災については気づかなかったようです。いつもお馬鹿な番組を流すことに慣れてしまい、いま何が国民にとって必要かという本来の報道機関としての判断はどこかに行ってしまっているのでしょう。

もうひとつの日本の風景

季節は巡り、日本はまもなく春。

連日の震災ニュースに疲れ、近所の「梅まつり」に行ってきました。
老若男女、大勢の人々。幸運にも難を逃れ、そぞろ歩きの彼らの心によぎる思いは何なのでしょう。



洗脳CMの嵐
ACジャパン CM あいさつの魔法

地震3日目までは、各民放局はCMを流しませんでした。そして現在、ほとんどの企業がスポンサーCMを自粛し「AC JAPAN(公共広告)」のCMに差し替えています。各企業は本当はモラルの低いCMを流していると自覚があったのでしょう、この状況下でのイメージ低下を恐れて辞退されたCM枠で代わりに「AC」の公共CMを放送しています。

反知性主義

その公共CMのうち、とくに問題なのが『あいさつの魔法』。

一見健全な内容に思えますが、昨年のちょうど今ごろ始まった『ゲゲゲの女房』の番組主題歌、いきものがかりの「ありがとう」が日本レコード大賞で優秀作品賞を受賞するに及んで、少々問題を感じていたのと同様の違和感を感じるのです。

『あいさつの魔法』の歌詞

こんにちは(こんにちワン)
ありがとう(ありがとウサギ)
こんばんは(こんばんワニ)
さようなら(さよなライオン)

まほうのことばで
たのしいなかまが
ポポポポ~ン

おはよう(おはよウナギ)
いただきます(いただきマウス)
いってきます(いってきまスカンク)
ただいま(ただいマンボウ)
ごちそうさま(ごちそうさマウス)
おやすみなさい(おやすみなサイ)

すてきなことばで
ゆかいななかまが
ポポポポ~ン

こんにちは(こんにちワン)
ありがとう(ありがとウサギ)
あいさつするたび
ともだちふえるね

AC

これらはいわゆる「あいさつ」に関する表現なのですが、この作詞者は言葉のひとつひとつの持つ意味を吟味したのでしょうか。よく読めば、親しい間柄や、目下の立場で使用する言葉や謙譲語、丁寧語がごちゃごちゃになっています。

とくに「ありがとう」。

たとえばタイ語で「ありがとう」は
ขอบคุณ(カナコープ クン) 親しい間柄や、目下の立場に対して使い、ขอบใจ(コープ ジャィ)は「ありがとう、ご苦労様」の意で、目上の人には使えない。
と明確に区別されています。

「ありがとう」はあいさつの基本中の基本なのですが、歴史的な人間の尊厳に関わる表現も含まれていますから、使い方も気を使う必要があります。ですから最初から丁寧語で「ありがとうございます」と身に付けたほうが問題が起きにくいのです。

もう一つの問題は、「こんにちは(こんばんは)」は丁寧語にあたる表現がないことです。
「こんにちは何々」というフレーズの後半が省略されて生まれたこの言葉は、時と場合によって無作法になる場合があって使い方が難しいのです。こちらのほうは、公的な文書あるいはビジネス文書に使用しないなどで対処すればなんとかなりますが。

創造力を伸ばしたければ初等教育で暗記や詰込みが必要なのと同様、あいさつの基本は正しい用法で幼少のころから。そして、わざわざ幼児におもねる表現を使用する必要もありません。
(そんなことは幼児の世界で勝手にやっていて、ある意味そんな世界が必要でもあるのです。)

幼児番組でもないところにその内容の持つ影響を勘案せず大量に流し、日本社会の幼児化を助長するのは、すでにマスコミ人種が幼児化しているのでしょう。

二分割思考と反知性主義によって大衆ポピュリズムが蔓延すると、簡単に操られ安易なファシズムに流れる危険が増えるのです。

さらにこの大震災という状況では軽薄な道徳主義に偏りがちで、こちらも同様な問題を含んでいます。

幼児化する日本社会 ― 拝金主義と反知性主義 榊原英資_Amazon

過去のCM

この「AC」のCM、過去には素晴らしいものがいくつかあり、こちらの方も流して欲しかった。

公共広告機構 小さくても大切な命
公共広告機構 もったいないおばけ
公共広告機構 江戸しぐさ

15日にはCM総放送回数の8割超

さすがに宗教団体と混同されるのを恐れたのか、最後の”エーシー”の音声を局側でカット編集したようですが、何度も繰り返して流され、まるで新興宗教の洗脳宣伝状態になっています。

東日本大震災が起きた 3月11日の前後15日間に、首都圏で放映されたACジャパンの公共広告が計約2万回にのぼることが、CM総合研究所の調べで分かった。「ざっとトヨタ自動車の1年分に相当する回数」(同研究所)という。 3月 5日から19日までに放映された民放キー5局の CM の回数を分析した。震災後、ほとんどのスポンサーが自社CM を自粛。公共広告に差し替えられた。最も多かった15日にはCM総放送回数の8割超を占めた。

三点セット

このACのCMに対して「内容がそぐわない」「しつこい」「サウンドロゴが不快」などといった苦情が数多く寄せられ、ついには公式サイト上で謝罪文を掲載するに至ったそうです。おもしろいことに各報道の苦情に対する表現が全く同じで、「内容がそぐわない」「しつこい」「サウンドロゴが不快」の三点セットになっています。

過去の名作CMを流すにしても問題が多いらしく、放映期間を過ぎた作品を再び流すためには、出演者や使用音楽、制作側などすべての関係者からの許諾が必要となるそうで、CM制作にあたっては全国45の番組制作会社などによるコンペ方式が採用されており、AC自身が直接制作していないことも権利処理を複雑にしているため難しいらしいのです。

また、一部スポットで消去作業が行われている「エーシー」のサウンドロゴについても「CMと言えど1つの作品であり、通常であれば放送局の加工を認めることはないのですが……。この度の苦情などを受けまして、ACジャパン側から放送局に消去をお願いした」そうです。

こんな調子で、ある意味同業者でもあるマスコミ各紙は、ACジャパンに対して被害者として同情的な論調で記事を書いています。しかし本当の被害者はそれを見せられた視聴者なのです。このACジャパンのCM枠を提供した企業名ぐらいはテロップで流し、消費者の評価の洗礼を受けるべきでしょう。

「もしイミー・ウーイさんの『般若心経』がこの頻度で流れても気にならないな。」と考えたとき、これらのCMの何がうっとうしいのか分かったような気がしました。

それは、これらのCMを制作した制作会社のディレクターや演出者はこのCMで訴えている内容を自身で体現しているかということ。

つまり、単にボランティアという美名で仕事で請負い、それらしく見える安っぽいアイディアで表現しているのではないかということ。ですから、たまに流されるときには薄まって感じなかった彼らの偽善が、過剰な露出によって浮き彫りになってしまったのではないでしょうか。

まあ商業主義のメディアにおける「公共」や「道徳」というものはこんなものと思えば済むことなのですが、今後ACジャパンの「公共」という意義と信頼が問われそうです。

天皇陛下のお言葉

 この度の東北地方太平洋沖地震は、マグニチュード9・0という例を見ない規模の巨大地震であり、被災地の悲惨な状況に深く心を痛めています。地震や津波による死者の数は日を追って増加し、犠牲者が何人になるのかも分かりません。一人でも多くの人の無事が確認されることを願っています。また、現在、原子力発電所の状況が予断を許さぬものであることを深く案じ、関係者の尽力により事態の更なる悪化が回避されることを切に願っています。

 現在、国を挙げての救援活動が進められていますが、厳しい寒さの中で、多くの人々が、食糧、飲料水、燃料などの不足により、極めて苦しい避難生活を余儀なくされています。その速やかな救済のために全力を挙げることにより、被災者の状況が少しでも好転し、人々の復興への希望につながっていくことを心から願わずにはいられません。そして、何にも増して、この大災害を生き抜き、被災者としての自らを励ましつつ、これからの日々を生きようとしている人々の雄々しさに深く胸を打たれています。

 自衛隊、警察、消防、海上保安庁を始めとする国や地方自治体の人々、諸外国から救援のために来日した人々、国内のさまざまな救援組織に属する人々が、余震の続く危険な状況の中で、日夜救援活動を進めている努力に感謝し、その労を深くねぎらいたく思います。

 今回、世界各国の元首から相次いでお見舞いの電報が届き、その多くに各国国民の気持ちが被災者とともにあるとの言葉が添えられていました。これを被災地の人々にお伝えします。
 海外においては、この深い悲しみの中で、日本人が、取り乱すことなく助け合い、秩序ある対応を示していることに触れた論調も多いと聞いています。これからも皆が相携え、いたわり合って、この不幸な時期を乗り越えることを衷心より願っています。

 被災者のこれからの苦難の日々を、私たち皆が、さまざまな形で少しでも多く分かち合っていくことが大切であろうと思います。被災した人々が決して希望を捨てることなく、身体(からだ)を大切に明日からの日々を生き抜いてくれるよう、また、国民一人びとりが、被災した各地域の上にこれからも長く心を寄せ、被災者とともにそれぞれの地域の復興の道のりを見守り続けていくことを心より願っています。

指導者としての資質が問われる首相のメッセージではなく、本当に多くの方々が待っていた陛下のお言葉で、勇気づけられ、日本国再建に向かっていくことでしょう。

日本ガンバレ、みんなガンバレ

千年の祈りThe Prayer of Thousand Years 720p HD

石原都知事の発言

過去日本ではなぜか、海部俊樹首相下の湾岸戦争、村山富市社会党首相下の阪神淡路大震災と地下鉄サリン事件のように国家観のあいまいな脆弱な政権のもとで国難が起きています。領土問題で国としての根幹に関わる失敗を犯している政権に一抹の猶予を与えたための国難かもしれません。日本国自体が「メルトダウン」の危機に瀕しています。

石原都知事の「日本人のアイデンティティーは我欲。この津波をうまく利用して我欲を1回洗い落とす必要がある。やっぱり天罰だと思う」発言。

確かに現時点では配慮が欠けていたと思いますが、その言葉の本質には共感できます。

聖徳太子は「十七条憲法」の第十条で、「われ必ずしも聖に非ず、かれ必ずしも愚に非ず。共に是れ凡夫のみ」と記しています。

凡夫とは「凡庸なる士夫」の意味で、十分に四諦の道理を知らない人をいう。「凡夫は身見をもって性となす」といわれて、我見にとらわれている人をいう。自己に実の我があると考え、自と他とを区別し自分に執着して、その差別観の中に苦悩している者のことである。

日本人にとって国は、国土という自然と神と人が渾然一体となった美しい風土によって成り立っているのです。日本という国は生きとし生けるものが一体となったゆるやかな自律的集合体なのです。

凡夫をも自覚しない為政者達、この国はどこに流れていくのでしょう。

非常時の通信メディア評価

報道合戦と同様に繰り広げられた通信各社の対応とネット関連の地震情報用サービス提供競争が起こってきました。

純粋に援助したいという気持ちと同時に、自分たちの提供するネットサービスが危機的状況でどのぐらい役に立つのかという、他の競合サービスに対するアピール合戦の様相を呈していました。確かに最新のネットサービスがほんとうに必要なものなのか、あるいは平常時の単なる遊びなのかがはっきり露呈してしまいますので、緊急時の新たなサービスの開発に各社が必死だったことでしょう。

同時進行している中東での民衆蜂起の起爆剤として「フェイスブック」「ツイッター」のサービスの存在が指摘されていますが、それは人々の情動を操作する手段としての価値です。それに対し今度は災害に対しての情報メディアとしての存在が試されようとしているわけです。

これに対しては、週刊朝日がいち早く、2011年3月25日増大号で評価をしています。

週刊朝日 2011年3月25日増大号

Google などが急いで安否情報の新サービスを立ち上げたりしたわけですが、これは離れた位置にいて状況に恵まれたところから発想されたサービスです。アクセス手段の確保や操作方法の複雑さを考えると現場ではあまり利用されなかったのではないでしょうか。それに企業がやることですから、公共性や信頼性において問題があります。

単純でシンプル

結局、電源や通信回線の状況、信頼性といった意味からもシンプルで公共性があり、共用できるものという結論になりそうです。シンプルといった意味ではやはり「ツイッター」ですし、今後はその方式を取り入れた公共のシステムの構築が必要です。たとえば NHK がそのシステムを代行運用し、国民総背番号制にもとずくアクセスID割当をする方法もあります。

インターネットを通じて多数の国民に円滑に閲覧していただきたいところですが、アクセスが集中し、PDFやExcelファイル形式の場合、容量が大きく、サーバー・回線リソースを圧迫し、重要情報が閲覧できない事象が頻出しています。また、被災してPCが故障していたり、PCを持っておらず、携帯電話で情報を確認している方もおり、携帯電話の細い回線で容量の大きなファイルを閲覧することが困難なケースもあります。

このため、現在各団体がアップロードしておられる情報は、1分1秒を争うものも多々あるかと存じますが、より多くの方に簡易に情報を受け取っていただけるよう配慮した情報提供も心がけるべきと思われます。

ご参考まで、具体的なファイルの公開方法(混雑時にそれらの閲覧でしのげるようにする予防的措置)は以下の通りです。

1. アップロードするファイルはPDFだけではなく、誰もが見ることができ、小容量な「HTML形式(テキスト)」のファイルも公開する。

2. 紙資料のスキャンファイルはPDFではなく、誰もが見ることができて、再利用が容易な「JPEG形式(静止画像データ)」とする。

3. 表形式データのファイルは、容量が大きくなるExcel形式ではなく、どのソフトでも開くことができて、再利用が容易な「CSV形式(表計算ソフトなどで開くことを前提に、データをカンマ(,)や、スペース、tab等で区切って並べたテキスト形式)」とする。

国民へ発信する重要情報のファイル形式について – 財団法人 地方自治情報センター

そして長期的に最も大きな課題は、今回の件で見えてきた、ネットに接続できる人と、できない人の大きなギャップをどうするかということだろう。

各避難所の名簿や安否情報を携帯でアップしてもらい姓名で検索できるとか、安否ツイッターを抽出し地域ごとにタイムラインで出すとか、ホンダのカーナビ統計情報と連係した通行不能の道路推定地図など、グーグルのサービス提供も素晴らしかった。岩手県が安否名簿を提供するなど行政とネットの連係もあった。それ以外にも多くの有志が、計画停電予定を郵便番号から検索できるサービスなどさまざまな連係サービスを素早くアップしていた。行政系の情報の多くもネットにPDFで上げられている。原発に関する分かりやすく良質の情報もネットにある。

しかし、それらを利用できるのはネットに接続できる人だけ。ネットはユーザー個人にチューニングされるため、テレビのように一台を皆で利用するのは難しい。日本でもフィンランドのように国民の基本的人権-権利と義務-として、「ネット接続権」を議論すべきだと思う。すでに多くのサービスが携帯を前提にし始めている。一歩進めて国民全てがネット端末を持っている前提なら、行政から報道、防災まで-日本社会の全プロセスについて大変革ができるだろう。全国民がネットに接続できるよう国は全力をつくすべきだ。

東京大学教授・ネットの重要性と接続格差_坂村健 より強い日本をつくるために

今回の震災では、被災地の多くの自治体で、防災無線が壊れたり、自治体のホームページのサーバーがダウンしたりして、住民に情報を発信できない状態が続きました。こうしたなか、一部の自治体は、地震の当日からツイッターを活用して、避難場所や治療が受けられる医療機関などの情報を発信し、その後、多くの自治体のほか、総理大臣官邸もツイッターを使い始めました。

こうした状況を受けて、経済産業省や総務省などは、より多くの公的機関に活用を促すことにしたもので、ソーシャルメディアと呼ばれるツイッターなどのサービスをまだ使っていない自治体や中央官庁に対して、利用を呼びかけることになりました。

近く、活用方法や注意点などをまとめた公的機関向けの指針を発表する予定です。また、ツイッターの運営会社も本物の公的機関であることを認証する手続きの迅速化を進めることにしています。

公的機関 ツイッター活用促進へ_NHK

「東北地方太平洋沖地震に伴うTwitter、Facebook利用実態に関する調査」の結果が発表されています。

震災前からの利用者と震災後からの利用者に対して使い始めたきっかけ

Twitterでは、地震前からの利用者は「流行していたから」(31%)が最も多いのに対し、地震後からの利用者は「友人、知人、家族に推奨されたから」(40%)が最も多くなっており、地震発生前後で利用開始のきっかけが大きく異なっている。

Facebookでは、利用開始時期にかかわらず「友人、知人、家族に推奨されたから」(45%)が最も多く、次に多い「メディアで取り上げられていたから」は地震前に比べて地震後からの利用者のほうが約10ポイント高い結果となった。

利用開始の目的

Twitter利用者の回答が上から「有益な情報を収集できるから」(47%)、「有名人の書き込みが見られるから」(39%)であったのに対し、

Facebookは「友人、知人、家族の様子が分かるから」(55%)、「楽しそうだから」(27%)となり、TwitterとFacebookの特性によって目的が異なっている。
利用開始時期別では、「非常時の連絡手段として利用できるから」という回答において、地震後からの利用者のほうがTwitterでは23ポイント、Facebookでは8ポイント上回る結果となった。

震災発生後72時間以内にどのように利用したか

Twitterでは上から「情報の収集」(84%)、「情報の共有」(48%)という回答が得られ、

Facebookでは「友人・知人の状況確認」(56%)、「情報の収集」(47%)という回答が得られた。これより、同社では「Twitterは情報収集の手段として、Facebookは安否確認の手段として使い分けがされていた」と推察している。

TwitterとFacebookを利用していない友人、知人、家族に利用を推奨したいか

Twitterの利用者は59%、Facebookの利用者は54%が「推奨したい」「やや推奨したい」と回答した。

「推奨したい」「やや推奨したい」と回答した利用者のその理由

Twitterでは「有益な情報を収集できる」(60%)、Facebookでは「友人、知人、家族の様子がわかる」(68%)と いう回答が最も多く、利用を始めた目的と同様にそれぞれの特性によって推奨したい点も異なることがわかった。

また、Twitter、Facebookともに「非常時の連絡手段として利用できる」(Twitter:57%、Facebook:43%)という回答が第2位となっており、地震発生時の利用経験が推奨意向に大きく影響していることがうかがえる。

震災時、TwitterとFacebookはどのように使い分けられた?_マイコミ

Kamal – Shakuhachi Tales (Native Mix)

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