ハルとワトソン

なんでも『2001年宇宙の旅(2001: A Space Odyssey)』に帰趨してしまうこのブログで、このニュースをきっと話題にするだろうなと思っていた方も多いでしょう。ご期待に応えて、本日は米国の人気クイズ番組「ジョパディ!」にチャレンジした IBM のコンピュータ「WATSON」の登場です。

ノートンとワトソン_アプリケーション

現在では「Norton Antivirus」(ノートン・アンチウイルス)のことを指すことが多いそうですが、1980年代には Macintosh や MS-DOS のファイルシステムのメンテナンスソフトウェア「Norton Utilities」(ノートン・ユーティリティーズ)を「ノートン先生」と呼んでいました。

Mac OS 9 以前の Mac はとにかく落ちまくっていましたので、このノートン先生が頼りで、ほんとうに直してくれていたのかはよく分かりませんが、ノートン先生がハードディスクを診察しているアニメーションを眺めながらのコーヒータイムが日課となっていました。

それを意識したのか、Windows2000、Windows XPには「ワトソン博士」というネーミングの診断ツールが含まれていましたっけ。

シャーロックとワトソン_アプリケーション
カラム表示の系譜

Apple は、1998年に検索サイトをWebブラウザーを使わずに利用できるメタサーチ・エンジン「シャーロック」を発表しています。

『Mac OS 8.5』の新機能

 

Sherlock(シャーロック)とは、アップルが開発していた、インターネットおよびローカルディスクの検索ソフトウェアである。名称は、シャーロック・ホームズに由来する。

Mac OS 8.5に初めて搭載され、Mac OS Xのv10.4まで搭載されていた。あらかじめいくつかの検索エンジンが搭載されていたほか、ユーザー自身がプラグインとして検索エンジンを追加することもできた。

Wikipedia

1998年は、ちょうど Google が創設された年です。

Sherlock(シャーロック)に続いて、Watson(ワトソン)というアプリケーションが現れました。

こちらは、「シャーロック」が複数の検索エンジンの検索結果をまとめるアプリケーションだったのに対して、eBayオークション管理や為替レート計算、画像検索、電話番号検索、レシピ・ブラウズ、株価表示、Yahooブラウザー、郵便番号検索といったネット上の特定サービスの情報を利用できるアプリケーションが登場しました。Dashboard をひとつのウインドウに収めたみたいなものですね。

このアプリケーションまだ健在で、ダウンロードして10.6 にインストールできるのには驚きです。しかし、動作するかどうかは分かりません。
Watson

 

ホームズとワトソン_テレビドラマ


最高のホームズ

シャーロック・ホームズ物は英国グラナダTV製作のテレビドラマが最高。つまり、シャーロック・ホームズ役をジェレミー・ブレット(Jeremy Brett)が演じたシリーズです。

ジョン・H・ワトソン(John H. Watson)はアーサー・コナン・ドイルの描いた推理小説、シャーロック・ホームズシリーズの登場人物。軍医の後開業医となった。名探偵シャーロック・ホームズの友人であり、伝記作家。ホームズシリーズのほとんどの作品は、ワトソンが書いたことになっています。

The Red Circle – Sherlock Holmes (Jeremy Brett) Part 1 of 5

2009年の映画『シャーロック・ホームズ』は北米でのクリスマス当日の興行収入歴代新記録(2490万ドル)を樹立するなど、大ヒットして続編の制作が決定しているそうです。このロバート・ダウニー・Jr と ジュード・ロウのコンビも良かったのですが、やはり「最高のホームズ」はジェレミー・ブレットで、ワトソン役はエドワード・ハードウィックといったところでしょうか。

『シャーロック・ホームズの冒険』は、英国グラナダTV製作のテレビドラマである。何度も実写化されてきたシャーロック・ホームズシリーズの中でも、主演のジェレミー・ブレットの名演、緻密な時代考証、原作の雰囲気に忠実であることなどから、高い評価と知名度を得た一作である。日本ではNHKにおいて日本語版が製作され、1985年から1995年に初回放映、その後何度も再放送がなされた。

Wikipedia

 

Watsonはワトソンかワトスンか?

これは少々難しい問題です。ただ日本語として発音するなら「ワトソン」のほうが収まりがいいような気がします。「IBM ワトスン」と Google で検索すると「もしかして: IBM ワトソン」と訊いてきます。逆は訊いてきませんので、日本語としては「ワトソン」としたほうがいいようです。

ハルとワトソン

そしてクイズ番組「ジョパディ!」での「WATSON」と人間の質問応答の競い合い。
結果は、ご存知のように「WATSON」が人間チャンピオンに圧勝でした。

IBM Watson: The Face of Watson

始まり

IBM、米国の人気クイズ番組「ジョパディ!」にチャレンジするコンピューターを開発中 2009年4月27日

IBMは本日、米国の人気クイズ番組「Jeopardy!(ジョパディ!)」で人間と競い合える先端コンピューター・システムの詳細を発表しました。また、「ジョパディ!」の関係者は、人間とコンピューターが対抗する番組の製作計画について発表しました。

IBMの研究者は、Watson(ワトソン)というコードネームで呼ばれている最新鋭の質問応答(QA)システム開発に2年近く取り組んできました。このコンピューター・システムは、「ジョパディ!」で複雑な質問を理解し、十分な正確さとスピードで回答できると考えています。

ソニー・ピクチャーズテレビジョンが製作し、CBSテレビジョン・ディストリビューションが配給する「ジョパディ!」は、歴史、文学、政治、映画、ポップカルチャー、科学など幅広いトピックをカバーする、知識と素早い想起が要求されるゲームです。バラエティー豊かなトピック、クイズ番組の回答者に要求される正確な即答、そしてクイズ番組の出場者に与えられるヒントに含まれる巧妙な意味、皮肉、謎やその他の複雑な要素の分析を人間よりもこの種の処理が苦手なコンピューターが行わなくてはならないなど、このゲームはコンピューター・システムに壮大なチャレンジをもたらします。

ワトソンは超並列解析能力を備えており、クイズ番組に出場する人間同様、インターネットへは接続されず、また外部からの支援も受けません。 ワトソンというコードネームで呼ばれているコンピューター・システムの基礎を成している研究は、コンピューターの知能および人間とコンピューターとのコミュニケーションをかつてないほどのレベルにまで高めることが期待されています。IBMは、様々な業界のお客様がビジネスに関連した質問により早く、正確に答えられるよう、ワトソン向けに開発された他に類を見ない技術力を適用していく意向です。

IBMのパルミサーノ会長兼CEOは、次のように語っています。「決断の本質は、膨大な量のデータの中からパターンを認識し、様々な選択肢に優先度を付け、すばやく正確に回答するということです。ワトソンは、企業、業界、都市を含む世界がどのように、よりスマートになっているのかを示す非常に興味深い事例です。先進的な処理能力および深い分析により、ビジネスや社会のシステムを知的に活性化することができます。このプロジェクトは、IBMの長年にわたる基礎研究へのコミットメントを示すとともに、科学技術におけるグランド・チャレンジを克服する最新の事例です」

IBMの「DeepQA」システム コードネームwatson

IBM and the Jeopardy Challenge

気になるふるまい

前半は好調だったが、後半は、「優美なさま、あるいは同じ年の卒業生」という問題に「クラス」でなく「シック」と答えて間違えるなど調子を落としていた。Jennings氏の誤答を真似したと見られる時もあった。

この日も「ワトソン」はほとんど全問正解だったが唯一、最終問題が不正解だった。最終問題のジャンルは「米国の都市」で、ヒントは「この都市最大の空港は第二次世界大戦の英雄に、第二の空港は第二次世界大戦での戦闘にちなんで名づけられた」というもの。これに「ワトソン」が「トロント(Toronto)とは何?」と答えると、会場からはため息が漏れた。続いてジェニングスさんが正解のシカゴ(Chicago)と回答。ラッターさんも正解だった。

IBMのスパコンが、クイズ問題を間違えた理由

 

初日のニュースで「誤答を真似したと見られる」のフレーズに、すぐに「HAL」を思い浮かべてしまいました。この人間とよく似た所作が現実のコンピュータでも起きたことに軽いショックを受けたのです。

 

IBM ResearchのDavid Ferrucci氏は公式ブログで、その理由を掲載していますが2日めの解説だけです。本当に知りたかったのは「誤答を真似したと見られる」動作に関してなのですが。

Watson on Jeopardy! Day Two: The Confusion over an Airport Clue

IBM

IBMと『2001年宇宙の旅』のHALとは浅からぬ縁があるようで、

HALの命名は「IBMのそれぞれ前の文字からとった」(H←I、A←B、L←M/IBMより一歩先行くコンピュータを意味させている)という説が根強くあるが、監督を始め本作の関係者は皆一様に否定している。実際は「Heuristically programmed ALgorithmic computer」の頭文字からとられている、とクラークの小説版にはある(後にクラークは「あまりに強力に信じられているため、説得をあきらめた」と語っている)

本作に登場するコンピュータの設定や画面はIBMが協力しており、当初は随所にIBMのロゴがあしらわれていたとされる。しかしながら制作中に「コンピュータが人間を殺害する」というストーリーであることが判明したため、IBMは手を引き、ロゴもすべて除去された。唯一取り残されたIBMロゴが、スペースシャトルの計器盤についている。

Wikipedia

 

ちなみに『紅の豚』のマルコ・パゴット(Marco Pagot)=ポルコ・ロッソ(Porco Rosso)の名前の由来は宮崎駿が監督・演出などを務めた日伊合作アニメ『名探偵ホームズ』の伊側プロデューサー、マルコ・パゴットから。
本日の一曲。

Bliss – Wish You Were Here [VideoClipHQ/HD720p]

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