春はあけぼの。

節分の翌日の今日は「立春」。

明け方の光の中にかすかに春の色を感じる季節となりました。


春よ来い

二月、旧正月

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今年の旧正月は2月3日。

ただ「正月」という言葉は本来は旧暦1月のことなので、日本以外では「旧正月」とは言いません。この旧正月は、中国・台湾・韓国・ベトナム・モンゴルなど日本以外のアジアでは、新暦の正月よりずっと盛大に祝われます。

旧暦1月1日は、二十四節気の雨水の直前の朔日。1月21日ごろから2月20日ごろまでを毎年移動します。

二十四節気

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旧暦は月齢を基準とするため、太陽の運行を中心とした季節とはズレが生じます。

中国では暦と季節とのずれを検出するために二十四節気が考案された。二十四節気は1つおきに正節(節気)と中気に分けられ、正節から次の正節までの間を節月という。節月は約30日であり、1朔望月よりも長い。よって暦と季節とのずれが蓄積されてゆくと、中気を含まない月が生じることになる。この中気を含まない月を閏月とする。また、月名もその月に含まれる中気によって決め、例えば雨水を含む月を「一月(正月)」とした。

Wikipedia

忠臣蔵

日本の歴史上の出来事の新暦と旧暦の曖昧さで憶えていることがあります。

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毎年12月14日が近づくと忠臣蔵のテレビドラマや映画がよく放送されますが、この頃東京に雪が降ったという記憶がないのです。

ずっと気になっていたので、調べてみると、それもそのはず、吉良邸襲撃の日は旧暦 12月14日なのでした。新暦に換算すると 1月中旬ということになりますのでやっと納得できました。

猫年

日本では今年の干支は「卯」。

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今年初めて知ったのですが、ところがチベット・タイ・ベトナムでは「猫」だそうです。この干支の話題は12年に一度しか語られませんので、なかなか目にすることがなかったのでしょう。

三月、桃の節句

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立春からひと月。春の訪れを実感する季節、三月弥生(やよい)。草木がいよいよ生い茂る月を迎えます。

生まれ月が 3月ということもあり、記憶に残るのは保育園からの帰り道。茶色く枯れた雑草のなかに新緑の葉を見つけたとき、春の訪れを実感して意味もなく嬉しく感じました。

ひな祭り

そして女の子達の何となく浮き浮きとした笑顔。それは桃の節句「ひな祭り」。

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「ひな祭り」は別名「桃の節句」とも呼び習わします。しかし、実際には 3月3日に桃の花を見たことはありません。桃の木は3月下旬から4月上旬頃に薄桃色の花をつけます。ここにも新暦の月を旧暦の呼称で呼ぶ混乱を見ることができます。(他にも五月雨は梅雨のことなど。)

平安時代には川へ紙で作った人形を流す「流し雛」があり、「上巳の節句(穢れ払い)」として雛人形は「災厄よけ」の「守り雛」として祀られる様になった。 江戸時代になり女子の「人形遊び」と節物の「節句の儀式」と結びつき、全国に広まり、飾られるようになった。

和暦(太陰太陽暦)の3月の節句(上巳)である3月3日(現在の4月頃)に行われていたが、明治6年(1873年)1月1日の改暦以後は一般的にグレゴリオ暦(新暦)の3月3日に行なう。しかし一部では引き続き旧暦4月3日に祝うか、新暦3月3日に祝う(東北・北陸など積雪・寒冷地に多い)。旧暦では桃の花が咲く季節になるため「桃の節句」となった。

Wikipedia

つるし飾り

近年復刻されたひな飾りに「つるし飾り」があります。

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雛のつるし飾り

「雛のつるし飾り」は稲取温泉に伝わる雛祭りには、古く江戸時代後期の頃より、娘の成長を願う母や祖母手作りの「つるし飾り」が飾られる風習がありました。一時廃れかけていましたが、18年ほど前に復刻したそうです。

他にも、福岡柳川の「さげもん」、山形酒田の「傘福」などがあり、近年結び付けられ、三大つるし飾りと呼ばれています。

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そこには独特な小宇宙が広がり、まさに幼い女の子にとって万華鏡のような夢の世界なことでしょう。

お水送り

3月2日に行われる若狭鵜の瀬からの「お水送り」の後、そのお香水は10日間をかけて奈良東大寺二月堂の「若狭井」に届き、「お水取り」で汲み上げられると春が来ます。

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五節句

日本の文化・風習で季節の節目となる日に行う伝統的な年中行事。

1月7日 七草
3月3日 桃の節句(ひな祭り)
5月5日 菖蒲の節句(こどもの日)
7月7日 たなばた
9月9日 菊の節句

春はあけぼの

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春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山際、少しあかりて、紫だちたる雲の細くたなびきたる。

“In spring, at dawn, the dark mass of the mountain lightens little by little at the edge and slowly the blue mists float away. How lovely.”
The sketch-book of the lady Seishonagon

清少納言『枕草子』

さらに枕草子は、

夏は夜。

月の頃はさらなり。闇もなほ、蛍のおほく飛びちがひたる。
また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くもをかし。雨など降るもをかし。

秋は夕暮れ。

夕日のさして山の端いと近うなりたるに、烏の、寝どころへ行くとて、三つ四つ、
二つ三つなど飛び急ぐさへあはれなり。
まいて、雁などのつらねたるが、いと小さく見ゆるは、いとをかし。
日入り果てて、風の音、虫の音など、はた言ふべきにあらず。

冬はつとめて。

雪の降りたるは言ふべきにもあらず、
霜のいと白きも、またさらでもいと寒きに、
火など急ぎおこして、炭持てわたるも、いとつきづきし。
昼になりて、ぬるくゆるびもていけば、火桶の火も、白い灰がちになりてわろし。

と続き、日本人の身近な四季への繊細な感性を感じさせます。

明け方の光が春をもたらす

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日本人にとってあまりにも有名な清少納言の「春はあけぼの」の感覚が最近になって生物学的に立証されつつあります。

日本に住む私たちは、地球の公転軸の傾きが生みだす自然現象を、季節の変化として楽しんでいます。多くの生物は、この季節変化を日照時間の変化(日長)で感じ取り、体内の生理機能を調節しています。明け方の光で発現して春ホルモンを誘導することがわかってきました。

春ホルモン: 日照時間が長くなると、下垂体正中隆起部(PT)で誘導される甲状腺刺激ホルモンβサブユニット(TSHβ)のこと。日照時間が短い状態から長い状態になることは、季節変化によって冬から春になることがイメージされるので、ここではTSHβを「春ホルモン」と呼称する。

「明け方の光が春をもたらす」

季節感からいえば、一年で最初の日は、冬至と春分のまんなか、春の始まりを意味する立春がいちばんスッキリします。このころから「春ホルモン」が活発に分泌され始めるので、身体的にも実感できる新年を迎えられるのですから。

春の過ぎる度に、想うこと。


陳慧嫻 – 飄雪(花咲く旅路)

めぐりあはむ我がかねごとの命だに心にかなふ春の暮かは

(新勅撰1054)

いくら惜しんでも、過ぎてゆく春を留めることは出来ない。来年の春まで生きて、再びこの季節に巡り逢おう――そう祈る私の命さえ、心のままにはならないのだ。この美しい暮春の夕べに、せめてもう一度と思っても。

あと何度この美しい季節を見ることができるのでしょう。

若い頃に春が来ることが当たり前だったのに、いつのまにか、その残りの回数を数えることができるぐらい年を重ねてしまったと思うようになりました。

そしてそのうちに「今年もなんとか春を迎えることができた。」とつぶやくことになるのでしょうか。

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