幻世_まぼろよ

アニメの中に現実の風景があるのか、現実のなかにアニメの世界があるのか。

(松の内の話題にしては少々暗いのでご注意を。) …


あしたのジョー 泪橋

現実にある不思議な情景

これは 2011年 2月公開の映画『あしたのジョー』のなんとも不思議な情景です。
映画「あしたのジョー」 あしたのためにその一(show me love)

最初、実写にアニメーションを合成しているのかなと思っていましたが、次第に現実のアニメ風のオープンセットだということが分かってきました。

昨年は、パトレーバーやガンダムのリアルサイズモデルが流行っていましたが、今度は町並みの再現です。過去と現在が微妙な違和感を持って同居して、同時になんとなく哀愁が漂うのもいいですね。
単なるプラモの実物大が設置してある風景より趣があります。

このような風景の記憶の始まりは『AKIRA』にあるのですが、『機動警察パトレイバー the Movie』にもいいシーンがありました。

SILENT TOKYO

傑作とよく言われる『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊 』 『イノセンス』『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』などの押井守監督作品は『AKIRA』の二番煎じな気がしてどこがいいのか分かりません。

しかしこのシーンだけは共鳴できます。あの独特の消化不良の言葉による説明がなく、心象風景の情景描写がうまいのには感心させられます。押井の美術監督としての技量はすばらしいのは認めざる得ません。

赤い橋


話は映画『あしたのジョー』のセットに戻るのですが、あの泪橋が途中までなのがご愛嬌。まるで、ここで突然夢の世界から醒めたような気持ちになります。

あしたのジョーの泪橋といえば、自分の中ではどうしても彼女の『赤い橋』とイメージが重なってしまいます。

そういえば、浅川マキさんが宿泊先ホテルでの死亡が確認されて、もうすぐ一年が過ぎようとしているのですね。


Maki Asakawa 浅川マキ 「 赤い橋(歌詞付) 」

不思議な橋が この街にある
渡った人は 帰らない
昔 むかしから 橋は 変わらない
水は流れない いつの日も
不思議な橋が この街にある
渡った人は 帰らない

いろんな人が この町をでる
渡った人は 帰らない
赤く 赤く 塗った
橋の たもとには
赤い 赤い花が 咲いている
不思議な橋が この町にある
渡った人は 帰らない

不思議な橋が この町にある
渡った人は 帰らない
みんな何処へ行った
橋を 渡ってから
いつか きっと 私も渡るのさ
いろんな人が この橋を渡る
渡った人は 帰らない

浅川マキ 赤い橋

これはやはり日本人に最も身近な川、『三途川』にかかる橋なのでしょう。青森の恐山にはその「赤い橋」があるそうです。

逆縁の賽の河原。
橋のたもとの曼珠沙華の花々。
渡った人は 帰らない、彼岸への旅立ち。
そして、誰でもいつかきっと渡る橋。

『蜻蛉日記』の作者は、三途の川を女が渡る時には、初の男が背負うて渡るといった意味の歌を詠んでいるそうで、平安時代の昔よりなかなかロマンチックな橋でもあったようです。

三瀬川 あささのほども 知られじと 思いし吾や まずわたりなん
三瀬川 吾より先に渡なば 水際にわぶる 身とやなりなん

でもやはり、橋を渡るのでも、商標登録されている「千の風」になるのでもなく、鷲のように空を駆け登っていきたいものです。

Flight of an Eagle

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