緑色の太陽

最近気に入っている「ニューエイジ音楽」のグループに「Green Sun」があります。

まずは一曲。ちょっとした宇宙旅行気分をお楽しみください。さっぱりとして涼やかですよ。


Green Sun Space Traveler The Ultimate New Age Chillout,EasyListening,Relaxing Music In The World

ところで音楽もさることながら、気になったのはそのグループ名の「Green Sun」。

「緑色の太陽」なんて想像するだけで魅力的。

そこで、緑色の太陽の写真を探していて行き着いたのが、

太陽立体化計画「STEREO」

最近、「3Dムービー」や「3DTV」「3Dゲーム」と騒がしいのですが、そんなちまちました映像よりずっと大きなスケールのプロジェクトがあります。

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それは、太陽観測衛星「STEREO(Solar TErrestrial RElations Observatory)」

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「STEREO」はNASA の太陽調査プロジェクトで、STEREO-A(Ahead)と STEREO-B(Behind)からなる 2機の調査衛星を太陽軌道に乗せて、太陽フレアの 3D観測をしています。

STEREO-B

2006年8月の打ち上げから順調に観測を続けていましたが、2014年10月1日を最後に STEREO-B との通信が途絶、2016年8月21日に通信が回復。復帰のための努力が続けられていますが、2017年 9月現在でもデータは得られていないようです。

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STEREO

このサイトには、太陽の極端紫外波長を画像化した「緑色の太陽」が満載です。

やはり、緑色の太陽というのは魅力的ですね。


太陽の本当は何色?

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そして日頃、「真っ赤な太陽」なんてイメージを持っているのですが、本当にそんなのだろうか。という疑問も湧いてきました。

ものの見え方と色の見え方。これは、人間は本当にすべてを認識できるのだろうかといった本質的なテーマを含んでいるようです。


有名な言葉

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人は自分の見たいものしか見ない。

“libenter homines id quod volunt credunt”

「人間は自分が信じたいことを喜んで信じるものだ。」
ジュリアス・シーザー

これは、人間は無意識のうちに情報を選択している。よくある話ですね。


生物的能力の壁

人類が進化していくうちに獲得された能力には、その重要性によって強弱がつけられています。

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たとえば、色(= 電磁波)に対する反応。

動物は、自分の体の大きさを基準にして、餌や敵を識別できる程度の波長域の電磁波に感度を示すよう進化してきました。

このため、人間には感知し易い色と知覚し難い色があります。

  • 無彩色よりも有彩色、寒色系よりも暖色系のほうが色が人の注意を引きやすい。
  • 赤や黄等暖色系の色および白色は実寸より物が大きく近くに見え、他の色より知覚し易い。
  • 青や黒等の寒色系の色は実寸より物が小さく遠くに見える。
  • 人間が暗闇で見え難い色は、茶・黒・青・紫、見え易い色は、黄・白・オレンジの順番。

記憶の罠_ホワイトバランス

人間は物体色を様々な色温度下で見ることによって正しい色を経験的に推測し、記憶上で補完合成してしまいます。ところが機械はそれができません。ですから人間の見た印象に近づけるために、ホワイトバランスという白色を正確に白く映し出すように補正する機能が必要となります。

この「ホワイトバランス」というものに初めてであったのは、1983年に「ベータムービー(BMC-100)」を手に入れた時です。

正確な色を記録するためには、写す場所に白い紙を置いて、ホワイトバランススイッチを押す作業がありました。

解説書にはその理由が書いてあるわけでもなく、いきなり「ホワイトバランス」と言う単語と方法が書いてあっただけでしたので、何でこんな面倒な作業が要るのか不思議でしたが、撮影した結果を見れば確かに必要だったのです。

人間が見ているものが必ずしも本当とは限らないのです。


太陽のバックグラウンド、空の色

電磁波は波長が短いものほど散乱されやすく、長いものの方が散乱されにくい。

これを「レイリー散乱(Rayleigh scattering)」という理論なのですが、朝焼け・青空・夕焼けの空の色の変化を説明しています。

波長の短い青色の光が波長の長い赤色の光よりも多く散乱される結果、「朝焼け」「夕焼け」は太陽と観測者の間に大気の存在する距離が日中と比べて長くなり、散乱を受けにくい赤色が「届く」ことによる。一方で、日中には波長が短い青が観測者の方に「散乱」されることにより、空全体が青く見える。

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太陽光線のスペクトラム分布

同時に、地上と宇宙空間では太陽光のスペクトラム自体にも違いがあり、本来もっと青緑成分が多いのです。ということは見え方も違うのでしょうか。


太陽の色は「イエロー」

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子供たちの描く絵に登場する太陽の色は、圧倒的に「イエロー」で、次がオレンジ、「赤」は少数派のようです。

確かに素直に太陽を見てみると「白っぽい黄色」に見えないでもありませんね。そして月は「白」あるいは「銀」。

では日本の国旗(日章旗)の赤い丸い部分は、何なのでしょう。

日本人の古代信仰として古神道では自然崇拝・精霊崇拝(アニミズム)を内包しており、特に農耕や漁労において太陽を信仰の対象としてきました。

聖徳太子の「日出処天子…」で始まる手紙。「日本」(日ノ本)という国名。とくに新しい一日の始まりである「日が昇る」という現象を大切にしていたことがうかがわれます。

「日が昇る」をリアルに色で表現すれば、赤地に金。

実際、

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高松塚古墳、キトラ古墳には東西の壁に日象は金、月象は銀の真円で表されています。

平安時代まで、朝廷の象徴である錦の御旗は赤地に金の日輪、銀の月輪が描かれていて、平安時代末期の頃までの「日輪」の表現は通常「赤地に金丸」であったと考えられています。

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平氏は御旗にちなんで「赤地金丸」を、源氏は「白地赤丸」を使用していました。平氏が滅亡し、源氏によって武家政権ができると代々の将軍は源氏の末裔を名乗り、「白地赤丸」の日の丸が天下統一を成し遂げた者の象徴として受け継がれていったとも。

日章旗に描かれた円が太陽を表しているのは確かと思うのですが、それがなぜ赤なのかはよく分かっていないようです。

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パラオの国旗はリアルな「昼間の太陽」ということになります。

グリーンフラッシュ

日没太陽といえば有名なのが、グリーンフラッシュ現象。

太陽が完全に沈んだ瞬間、地球の大気層のプリズム効果で太陽光が屈折し、緑色の光だけが届いて見えます。空気が澄んで地平線や水平線が見える場所でまれに見える珍しい現象。

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一度は出合って見たいものです。

さすがに、日没を国旗にしているお国はないようですが、過去に政権を担った政党のマークはデザインが微妙で、日本が沈みそうになりました。

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K についての俗説

今回の話題とは関係ないのですが、色彩関係の話題ついでに「K についての俗説」

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印刷で利用する減法混色のCMYK表現について、CMYKは Cyan, Magenta, Yellow, Key plate なのだそうです。K を「blacK」と思っていましたが、この場合は、CMYbK と表記するとのこと。キー・プレート (key plate) とは画像の輪郭など細部を示すために用いられた印刷板のことであり、通常黒インクのみが用いられたそうです。

これって、色刷り版画の輪郭線を刷る版のことになるのでしょうか。


太陽をしのぐ巨大フレア

それにしても宇宙のスケールは大きい。それを感じさせてくれる NASA で拾った画像。

2008年4月25日、トカゲ座の方向にある「EV Lacertae」という星から巨大な炎(フレア)が吹き上がりました。その威力はなんと太陽の何千倍も強力だったとのこと。

太陽よりも明るいフレアが地球上で観測されたのはこれが初めてだそうです。


本日の一曲

Green Sun – Oxygen 14

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