日本語の「罰を受ける」と「バチがあたる」という表現には与える側の微妙なニュアンスの違いがあります。
■ 鬼と東洋風の摩天楼
ひと月前のこと、TVで観たアニメをふと思い出しました。
ところが、その題名を思い出すことができません。
記憶にあるのは、鬼が出てきたことと、東洋風の摩天楼。たったこれだけの手掛かりでネットを探したのでが、「鬼」「高楼」なんてキーワードで検索かけてみたのですがなかなかヒットしません。
結局「アニメ」「データベース」でヒットしたサイトで「あ」行から順にすべてのタイトルを探すことになりました。ビデオジャケットの画風とタイトルから想像して、かたっぱしから調べていきました。
幸いなことに「か」行で見つけることができました。そのタイトルは『カクレンボ』。ヤマトワークスから2005年に発表された作品でした。
『カクレンボ』
何故このアニメが記憶に残っているのか。
暗闇に潜む神とも魔ともつかない不思議な存在を心のどこかで信じていた頃の記憶があります。
子供だった頃、夜、ひとり暗闇で出会った怖いけれど優しいと感じさせてくれたものかもしれません。そして彼らは一緒に遊んでくれたのです。そんなことを思い出して郷愁を感じたのかもしれません。
彼らは一体何者なのか。
日本語の「罰を受ける」と「バチがあたる」という表現には与える側の微妙なニュアンスの違いがあります。
この違いこそ、豊かな自然環境に恵まれた日本人に脈々と受け継がれている自然崇拝の影響が表れているのかもしれません。「自然に懐にい抱かれて」という表現もありますが、自然にい抱かれ、自然から生まれ、自然に帰る。この気持ちが日本人にとって一番素直なのかもしれません。
■ FREEDOM PROJECT
このヤマトワークス、大友克洋を企画として迎えたプロジェクト日清カップヌードル TV-CF と連動した OVA「FREEDOM PROJECT」、にOVAシリーズの監督、キャラクターデザインを担当していたのです。CM でご覧になった方も多いと思います。
■ 『アキラ』と芸能山城組
アキラの映画予告編(1988年)
大友克洋といえば『アキラ』。
小さな頃に観せて娘がトラウマになったと抗議されたいわくつきのアニメですが、もともと好きな芸能山城組のガムランに乗せて、未来型バイクで疾走していくシーンは最高でした。
ほんとうに偶然の一致なのでしょうか。
作中同様、実際の2020年に東京オリンピックが開催される予定であるが、これは2013年に開催地が決定したものであり、本作とは全く関係のない偶然の一致である。
サウンドトラックを手掛けたのは芸能山城組。
そして再び。
大友克洋監督のアニメーション映画『AKIRA』のサウンドトラック・アルバム『Symphonic Suite AKIRA(交響組曲 AKIRA)』がアナログレコードで再発決定。数々のサントラをリリースしている米ロサンゼルスのMilan Recordsから2017年9月29日に発売されます。
『輪廻交響曲』芸能山城組
この『アキラ』のまえに出された芸能山城組の『輪廻交響曲』とくに「心経陀羅尼」には感動させられました。といっても聴く人によっては単なるお経なのですが。
心経陀羅尼にたくするメッセージ
天地にあまねく満ちたる力に敬礼します。あらゆる形あるものを解体して空間を復元する偉大な力よ、何物も存在しない無上にきらめかしい虚空を繰り広げてください。往けるものよ、彼岸に往けるものよ、弥栄。散華して土に還る生態系維持の機構を理解し、その価値を感受し、その巧妙を賛美しうるものよ、まことにめでたし、弥栄。芸能山城組
本日の一曲
輪廻交響曲